ECBは原油安の影響注視、バランスシート拡大へ注力=プラート専務理事

欧州中央銀行(ECB)のプラート専務理事は17日、
原油安がデフレを引き起こすか、または現在の
緩和策がバランスシートの拡大に不十分な場合、
ECBはさらに積極的な緩和策を講じる用意が
あると表明した。

クレディ・スイスのイベントで述べた。

専務理事は、ECBは原油安がインフレ期待を
さらに下押ししないか注視していると指摘。

通常は原油価格の動向を重要視することはないが、
現在はインフレ期待がぜい弱であり、状況が
変わったと説明した。

「総合インフレ率に加え、間接的な影響が
インフレ期待や信頼感に影響を与える可能性が
ある」とし、デフレ懸念が高まれば「ECBが
行動する動機が大きくなる」と述べた。

ECB内に意見の相違は見られるものの、
デフレ回避では全員が一致しているとも強調した。

「(理事会内には)様々な意見があるが、責務に
対する強いコミットメントが存在している。
デフレに陥るような事態となれば、すべての
手段が活用されるのは確実で、問題は
実施時期だけ」とした。

専務理事はまた、ユーロ圏経済が低迷しないよう
確実にすることはECBの重要な仕事だとし、
バランスシートを2012年の水準に拡大する
との確約を達成すると表明した。

これは現在の水準を1兆ユーロ上回る規模。

市場ではそこまで拡大できるか懐疑的な
見方も出ているとしたが、理事は「その水準まで
拡大する自信がある。不十分なら、われわれは
追加策を講じ、買い入れ対象を早急に広げる
用意がある」と言明した。