ユーロ防衛へ「何でもやる」、ECB総裁が国債購入視野と言明

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は17日、
欧州議会での証言で、国債購入も含め、ECBは
追加策を講じる用意があると表明するとともに、
ユーロを守るためには「必要なあらゆる措置」を
講じる考えを示した。

ドラギ総裁は「とりわけ成長の勢いが弱まり、
マネー及び信用の状況が引き続き抑制されている
状況下では、インフレ見通しの下振れリスクに
対する警戒を維持する必要がある」と指摘した。

その上でインフレが長期間、過度に低水準に
とどまれば、ECBは行動する用意があると
改めて表明。

追加策が必要な場合に備え、スタッフに追加措置の
策定を指示しているとし、追加策には国債買い入れ
含まれると言明した。

またECBは今後もユーロ防衛に向けて、責務の範囲内で
「必要なことは何でもやる」と強調。

ユーロは「後戻りできない」と述べた。

ドラギ総裁の発言を受けて、ユーロ圏の
低格付け国債の利回りが低下。

イタリア10年債利回りは4ベーシスポイント
(bp)低下の2.31%をつけた。

その他の周辺国国債の利回りも
1〜2bp低下した。

総裁は、ユーロ圏の成長の勢いは今夏にかけ
鈍化したとしつつも、ECBの金融緩和と
域内各国の改革により、2015〜2016年には
緩やかな回復を遂げるとの見方を示した。

ドラギ総裁はECBが実施してきた一連の措置の
効果について、短期金利が6月初旬以降大幅に
低下したことに言及。

「信用緩和措置が明確な恩恵をもたらしている
初期の兆候を確認している」とし、金融緩和策の
効果が出始めているとの認識を示した。

ただ現行措置の効果を見極めるには
しばらく時間を要するとした。

また信用状況について「底は
脱したようだ」との認識を示した。

プラート専務理事も同日、ユーロ圏の
信用状況について「転換期に達した
かすかな兆候が見られる」と述べ、
総裁と同様の見解を示している。

総裁はまた、成長軌道回帰に向けた
構造改革の必要性を訴えた。

「2015年は、ユーロ圏加盟各国や政府、
欧州機関すべてが成長軌道に戻すという
共通の戦略を打ち出す年にする必要がある。
金融政策のみでの達成は無理だ」とし、
構造改革実施に向けた加盟国による
具体的な短期的コミットメントなどで
合意することが急務だ」と言明した。