この1週間の円の下がり方、速すぎる=麻生財務相

麻生太郎財務相は21日、閣議後の会見で、
最近の円安進行について「この1週間の
円の下がり方は、テンポが速すぎる」と
市場動向をけん制し、為替の急激な変動は
歓迎できないと語った。

麻生財務相は「為替は市場が決める話であって、
こちらが介入してどうのこうのというような
話ではない」としながらも、急激な円安が
「輸入物価に直結する」問題などを挙げ、
「急激な変動は、歓迎すべきことではない。
上がっても下がっても」と市場をけん制した。

12月の解散・総選挙で来年度予算編成は
大きな影響を受ける。

今後のスケジュールについて麻生財務相
「経済対策を年内にまとめる。関連する
補正予算は年を越すことになるが、補正予算
経済運営に万全を期す」と述べた。

具体的な対策の中身については、2017年4月に
消費再増税ができやすくなる経済状況をつくる
ことだとし、アベノミクスの地方への波及が
焦点になるとした。

具体的な規模については、2015年度が基礎的財政収支
(PB)の赤字半減目標達成年度であることから
「経済再生と財政規模の両立をはかることが一番大事、
配慮しながら考えていく」と述べるにとどめた。

消費税引き上げの延期で、社会保障充実に
充てる財源の手当てが焦点になっている。

予定通りのサービスの充実を求める声も浮上するが、
麻生財務相は、「プログラム法では消費税率引き上げの
増収分を充てると書いてある」と述べ、「(増税を)
延期する以上、社会保障充実分も見直さざるを得ない」
と述べ精査する考えを示した。

政府は消費再増税延期でも従来の財政健全化
目標を堅持する方針を明らかにしている。

2020年度のPB黒字化目標については、消費税率を
10%に引き上げ名目3%成長を実現したとしても、
なお11兆円程度の赤字が残り、増税延期で達成は
より難しくなったとみられている。

政府は来年夏に向けて具体的な計画を策定する予定だが、
10%超の消費税率引き上げが必要になるのではないか
との質問に麻生財務相は「今の段階で、どうしなければ
ならないという状況はみえていない。基本的には歳出を
整理していかなければならないところからスタートする」
と述べるにとどめた。