日銀、今の状況で追加緩和も引き締めもない=渡辺JBIC総裁

国際協力銀行JBIC)の渡辺博史総裁(元財務官)は29日、
記者団との懇談で、原油安は2%の物価目標達成を目指す
日銀の金融政策に大きなマイナス要因ではなく、日銀が
近く追加緩和をすることはなく、逆に引き締め方向に
動くこともないとの見通しを示した。

イスラム国」について、欧州の策定した国境線を
見直したい中東の若者の意向が反映されている可能性が
あると指摘した。

原油価格は昨年秋以降5割以上も急落しているため、
2015年度にも2%の物価上昇率を目指すとされている
日銀への影響が取り沙汰されている。

渡辺総裁は、黒田東彦日銀総裁が就任して
2年後の今年3月や4月の時点では「原油安が、
(2%の物価目標)達成にマイナスに効いてくる」
としつつ、2016年4月には原油価格が上がっている
との見方が多く、「その(達成)時期ならば(現在の
原油安は)それほどマイナスでない」と指摘。

「今の状況で、日銀が何か追加的にあるいは
逆方向に追加的に動くことはない印象だ」と述べた。

イスラム国をめぐっては「少し長い目でみると、
欧州人が勝手に引いた国境線と関係なく
活動していることが中東の若い人にアピールして
しまうのでは」と指摘。

若い人たちが国境線は自分たちで引くというのであれば、
相当根深い話」として地政学的リスクの大きさに懸念を表明した。