豪中銀が過去最低の2.25%に利下げ、景気押し上げ狙う

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は3日、
政策金利のオフィシャルキャッシュレートを
2.50%から25ベーシスポイント(bp)引き下げ、
過去最低となる2.25%にすることを決めた。

4日から適用する。

利下げは2013年8月以来1年半ぶり。

豪ドルに対する下押し圧力を維持しつつ、
さえない景気の押し上げを狙う。

決定を受け、豪ドルは対米ドルで下落した。

ティーブンス総裁は声明で「全体として、
生産の伸びはおそらく幾分長い期間、
トレンドをやや下回り続け、失業率は
従来の想定を小幅に上回る水準でピークを
つけるというのが中銀の評価だ」と説明。

「今回の決定は需要をある程度一段と支援し、
持続的な成長や目標に沿ったインフレ率を
促すだろう」とした。

金利先物市場では決定を受け、豪中銀が
3月の次回理事会で政策金利を再び引き下げる
との見方が強まり、2.00%への利下げが
実施されるとの確率がほぼ五分五分となった。

また、既にキャッシュレートを下回る水準で
取引されていた10年物国債の利回りは
過去最低の2.36%に低下。

豪株は2008年以来の高値を付けた。

オーストラリアでは、輸出品目である資源の
価格下落で企業利益や鉱山投資が打撃を
受けているほか、最大の輸出相手国である
中国の景気減速により、国内景気の
さえない状況が続いている。

世界的に中銀の金融政策緩和が続く中、
豪ドルが競争力の劣る水準まで上昇するのを
防ぐためには豪中銀もこうした流れに
追随せざるを得なかった。

実際、スティーブンス総裁は「バランスのとれた
経済成長を実現するには為替相場の下落が
必要となりそうだ」との認識を示した。

ガソリン価格が下落し、賃金伸び率が10年ぶりの
低水準にとどまる中、国内のインフレ率見通しは
抑制されており、コアインフレ率は年内はほぼずっと
中銀の目標レンジ(2〜3%)の下限付近で推移すると
見込まれている。

また、地方選挙の結果や支持率低下を背景に
アボット首相の将来をめぐる憶測が飛び交っており、
政治の先行き不透明感も強まっている。