「忍耐強い」政策運営は適切=ボストン連銀総裁

米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は5日、
連邦準備理事会(FRB)はすでに低水準なインフレ率が
さらに低下するリスクを招かないよう、「忍耐強い」
政策の下で当面利上げを先送りすることが適切との
見解を示した。

ピーターソン国際経済研究所とムーディーズ
インベスターズ・サービスが共催する
独フランクフルトでの会議に向けた講演原稿で
総裁は、「総合及びコアインフレ率がほとんどの
先進国でかなりの低水準に落ち込んだことを
踏まえると、米国で忍耐強い政策を取ることは
引き続き適切だ」と述べた。

事実上のゼロ金利政策が、プラス面での予想外の
ショックに対して対応の余地が十分にあるのに対し、
マイナスのショックに対しては余地がかなり
限られていることを考慮しても、適切だと
言えると指摘した。

連邦公開市場委員会FOMC)は、金融政策の
運営姿勢の正常化開始において「忍耐強く」
いられると表明している。

ローゼングレン総裁は今年の
FOMC投票権を持たない。

総裁は自身が適切と考える利上げ
開始時期については言及しなかった。

インフレ目標に関しては、「大幅な下振れは
大幅な上振れと同様に迅速な政策対応が必要」と指摘し、
間接的に欧州中央銀行(ECB)の量的緩和導入を
評価する姿勢を示した。

米国については、インフレ率が2%の目標まで
回復しつつあるという根拠は不足しており、
賃金の伸びが危機前の水準に戻りつつある
という根拠もほとんどないと述べた。