ウクライナ東部の要衝で戦闘激化、揺らぐ停戦合意

ウクライナ東部のデバリツェボでは、
停戦発効後も政府軍と親ロシア派武装勢力
間で戦闘が続いている。

こうした状況を受け、政府も重火器を
撤去できないと主張しており、停戦合意の
履行が早くもあやぶまれている。

デバリツェボは親ロ派が支配する
2つの地域に挟まれた交通の要衝。

15日の停戦発効後、東部の他の多くの地域で
戦闘が沈静化したものの、1月以降親ロ派が
勢力を拡大してきたデバリツェボでは、
同勢力が停戦の履行を拒否。

ウクライナ軍を包囲している。

親ロ派のある戦闘員は「ここには停戦はない。
デバリツェボはわれわれの領土だ」と話し、
戦闘は政府軍に責任があると指摘した。

親ロ派幹部のエドゥアルド・バスリン氏は、
ウクライナ軍が過去24時間に27回停戦に
違反したと述べた。

一方、ウクライナ政府軍は停戦発効後に東部で
軍が100回以上攻撃され、兵士5人が死亡した
と明らかにした。

このような状況では重火器は
撤去できないと主張している。

親ロ派指導者デニス・プシリン氏も「相互に
装備を撤去する」ことにのみ応じる用意がある
と表明した。

親ロ派はウクライナ軍が武器を手放せば、
デバリツェボから安全に退去できるように
するとしているが、政府軍報道官はこれを拒否。

ミンスク合意に基づき、デバリツェボは
われわれの地だ。退去はしない」と述べた。

米政府、ウクライナ東部の戦闘継続に懸念表明
国務省は16日声明を発表し、ウクライナ東部の
デバリツェボで停戦合意後も戦闘が続いていることに
懸念を表明した。

国務省は「親ロシア派による挑戦的な言動は
停戦合意を脅かしている」と批判。

「ロシアと親ロシア派に即座に攻撃を
止めるよう求める」と発表した。

また、ロシアからデバリツェボへ軍装備品が
供給されないかを注視している、と明らかにした。