ユーロ圏がギリシャ支援4カ月延長で合意、財政破綻ひとまず回避

ユーロ圏諸国はブリュッセル20日開催した
財務相会合(ユーログループ)で、ギリシャへの
金融支援を4カ月間延長することで暫定合意した。

合意では、23日までに支援期間中に実施する
政策措置の一覧をユーログループに提出することを
ギリシャに義務付けた。

欧州委員会欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金IMF)の
3者で構成する「トロイカ」がギリシャの提案に満足すれば、
ユーロ圏の一部の国は必要な議会承認へと進む。

ユーログループのデイセルブルム議長は会見で
「信認の再構築に向けた初めの一歩だ」とし、
「われわれは再び、妥協点を見い出した」と語った。

ユーログループは24日、電話会議を通じてこれを
承認する可能性があるが、疑問が残る内容なら、
再び会合を召集する。

当局者によると、ギリシャと同様、急進左派が
急速に支持を伸ばしているスペインが、年内の
選挙を控え、ギリシャが特別扱いされないよう、
この条件をつけるよう主張した。

ユーロ圏のパートナーは、より短期の支援延長と、
一段の融資実施は満足の行く進ちょく状況が
確認できた場合のみとするよう求めた。

また新たな支出措置には財源をすべて手当てさせ、
債権団から承認を得るようギリシャに義務づけた。

また残るギリシャ銀の資本増強向け資金
およそ110億ユーロについて、今後は
ユーロ圏救済基金が管理し、ECBの要請が
あった場合のみ使用可能とした。

デイセルブルム議長は「ギリシャ銀の資本増強向け資金が、
政府の財源として使われないよう確実にするため」と説明している。

ユーロ圏内ではギリシャが合意を履行するか
懐疑的な見方が強く、ギリシャから管理権限を
奪った格好だ。

この複雑な合意文書の大枠は、ギリシャ
バルファキス財務相、ショイブレ独財務相
ラガルド国際通貨基金IMF)専務理事、
デイセルブルム議長が準備会合で申し合わせ、
その後ユーログループ全体の総意を得た。

合意が得られたことで、ギリシャ財政破綻
ユーロ圏離脱へと追い込まれる切迫したリスクは後退した。

チプラス新政権にとっては、長期的な債務軽減策について
債権団と協議する時間的猶予が生まれたが、緊縮策の撤回を
掲げて選挙に勝利した首相は、大幅譲歩を余儀なくされた。

ECBは合意を受け、国内銀行からの預金流出に
歯止めをかけるため、ギリシャが資本規制を
導入する必要はないとの見解を示した。

関係筋によると、支援延長への必要な手続きが
終われば、ECB理事会はギリシャ国債
担保特例措置を復活させる用意がある。

金融市場はギリシャ
支援延長合意をひとまず好感。

ユーロが対ドルで上昇に転じたほか、
ダウ工業株30種(ドル)、S&P総合
500種は終値で過去最高値を更新した。