物価見通し、2年程度で2%達成の目標変わらず=日銀総裁

黒田東彦日銀総裁は、23日の衆議院予算委員会で、
原油価格が緩やかに上昇するとの前提に立てば、
下落の影響がはく落するに伴い、消費者物価は
上昇していくとの見方を示した。

その上で「2015年度を中心とする期間に
2%物価上昇を達するという見通しは、
現時点で変わってない。できるだけ早期に、
2年程度で達成するとの目標も変わっていない」
と述べた。

民主党階猛議員の質問に答えた。

黒田総裁は、「わが国経済は先行き緩やかな動きを
続けていく。その下で需給ギャップ改善、
あるいは予想物価上昇率が上昇してくことを通じて、
軌道的な物価上昇率は確実に上がっていくと
考えている」と述べた。

さらに、「長い目で見ると、原油価格下落は
経済にプラスになる。また前年比で見た
物価下押しの圧力はいずれはく落していく
と見ている」と述べた。

「こうしたもとで、原油価格が現状から
緩やかに上昇という前提に立つと、原油価格下落の
影響がはく落するに伴い、消費者物価の前年比は
伸び率を高めていき、2015年度中心とする期間に
2%に達すると見ている。ただ、原油価格の状況により
多少前後する可能性がある」との従来からの認識を
繰り返した。

政府の経済見通しで2016年度も消費者物価上昇率
2%には届かないこととの相違について、黒田総裁は
「2015年度見通しはおそらく石油価格前提が違っている。
2016年度以降については、政府は中期財政試算との関係で、
一定のモデルで推計している」と説明した。