米FOMC景気判断引き下げ、利上げ9月以降の可能性

米連邦準備理事会(FRB)は29日まで開催した
連邦公開市場委員会FOMC)後の声明で、
労働市場と景気に対する判断を引き下げ、
少なくとも第3・四半期まで利上げ開始を
待たなければならない公算が大きいことを示唆した。

声明は、およそ10年ぶりとなる利上げ時期の検討は
指標次第であり、かつ会合ごとに判断する姿勢を示した。

だが経済の一部セクターのぜい弱さに言及し、少なくとも
9月までは利上げの用意が整わない可能性が高まった。

声明は「労働市場で一段の改善が確認され、インフレ率が
中期的に目標の2%に向けて上昇するとの合理的確信が
得られれば、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を
引き上げることが適切になると想定している」との見解を
示した。

このほか、経済成長は「一時的な要因を
部分的に反映して冬場に鈍化した」と指摘。

3月声明では、成長が「幾分緩やかになった」
との認識を示していた。

労働市場については、「就業者数の増加ペースは
緩やかとなった」とし、軟調だった3月の雇用統計を
反映し、前回声明から判断を引き下げた。

労働市場の指標についても「労働資源の活用不足に
あまり変化がなかった」とし、「労働資源の活用不足が
引き続き消えつつあることを示唆している」としていた
前回から下方修正した。

物価上昇率に関しては、「インフレ率はそれまでの
エネルギー価格の下落とエネルギー以外の輸入価格の
低下を部分的に反映して、委員会の長期的な目標を
引き続き下回った」とし、前回声明からの修正は
ごくわずかにとどめた。

金利に関するガイダンスは、
3月FOMC声明の内容を踏襲。

一方、3月の声明とは異なり、次回会合での利上げを
実施する可能性を事実上排除しなかった。

そのため、6月利上げの可能性は残される格好となったが、
経済指標はそうした可能性を支える内容にはなっていない。