買入を5・6月に小幅拡大、国債市場の調整ペース懸念=クーレECB理事

欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は最近の
国債相場の下落について正常な修正との見方を
示す一方、市場は「非常に変動が大きくなっている」
として調整ペースの速さに懸念を表明した。

18日に行った講演の内容が19日に公表された。

専務理事は「最近の独連邦債や他の国債価格の下落は、
市場の修正を反映している限り懸念要因とは考えていない。
調整ペースの速さをより懸念している」と語った。

「これまでにも見られた国際資本市場の急変動で、
低い流動性を示唆している」と分析した。

ECBは量的緩和政策の下で毎月600億ユーロ
(673億ドル)の債券を買入れている。

クーレ専務理事は7月と8月は市場の流動性
低いことを理由に、5月と6月に買い入れを
「わずかに」増やす方針を明らかにした。

購入規模の調整は市場の変動が
大きいこととは無関係と説明した。

月間の平均買入額を維持するための調整として
9月に一段と買い入れる可能性もあるとした。

現在マイナス0.2%となっている中銀預金金利について
専務理事は、一段と引き下げることは理論的に可能だ
とした上で、ユーロ圏での金利の実質的な下限である
ゼロを撤廃することについて、現状では望ましいとは
思わないと述べた。