「ギリシャ国民投票でイエスを」、ユンケル欧州委員長が改革案支持訴え

欧州委員会のユンケル委員長は29日、7月5日に
予定されているギリシャ国民投票で改革案が
否決されれば、欧州連合EU)に背を向けることに
なるとして、ギリシャ国民に改革案を支持するよう訴えた。

委員長は異例の緊急会見で「ギリシャ国民投票
問われている改革案に『ノー』を突きつければ、
ユーロ圏や欧州から距離を置きたいのだと
世界全体が考える」と指摘。

「心から愛するギリシャ国民に伝えたい。死を
恐れているという理由から自殺すべきではない。
国民投票では『イエス』を投じるべきだ」と述べた。

委員長はギリシャのユーロ圏離脱は選択肢ではないと
しながらも、委員長ひとりで他の債権者からギリシャ
守ることはできないと指摘。

「わたしのなかではギリシャのユーロ離脱は
過去も未来も決して選択肢にはならないが、
いつも申し上げている通り、手続き完了の
段階になって他の全員が下した最終回答に
逆えるなどとは思わないでほしい」と語った。

一方で、ギリシャ政府が改革案受け入れを
拒否したことを批判、個人的には「裏切られたと
感じている」と述べた。

「週末27日の芝居にわたしは本当に傷つき悲しんだ。
一夜にして欧州の良心は吹き飛び、まるで消え去り、
利己的で狡猾で世間を煽るようなお遊びに
とって代わってしまった」と話した。

ギリシャ政府よりも社会的に公正な提案を欧州委は
行ったとし、ユーロ圏18カ国を相手にして、
民主主義をふりかざしてプレーオフをするような
やり方は、ギリシャがとるべき態度ではない、
と批判した。

債権団の提案は富裕層の腐敗や既得権益を打破し、
社会の公正を後押しするもので「同緊縮策は
愚かな内容ではない」と強調。

痛みを伴う債務削減計画を受け入れたアイルランド
ポルトガル、スペインを例に挙げ、ギリシャ政府も
「自らの責任を担う」時が来ていると呼びかけた。