追加利下げは選択肢、長期リスクも考慮すべき=豪中銀総裁

豪準備銀行(RBA、中央銀行)のスティーブンス総裁は22日、
インフレ率が中銀の目標水準で推移するなか、依然として
一段の利下げが選択肢にあるとの見解を示した。

一方で、過度な緩和はリスクテークや過剰融資を
通じて長期的リスク要因になり得る、と警戒する姿勢も
見せた。

豪ドルについては、期待通り下落しており、豪経済に
歓迎すべき効果をもたらしているとした。

中銀は今年に入り2度利下げを行い、政策金利
現在2.0%と歴史的低水準となっている。

中銀はこれまで、インフレ見通しが落ち着いていることを
踏まえると、一段の利下げもあり得るとの見解を示している。

ただ総裁は、2000年初めのような
過度の借り入れなど、低金利によるリスクにも言及。

短期的な成長確保のために将来の景気安定が
おろそかにされるべきではないとし、双方間の
バランスをみつけることが大切だと強調した。

総裁の発言を受け、市場の
早期利下げ観測は後退した。

総裁はまた、鉱山部門の投資低迷と商品価格の
下落による影響を緩和するために、ある程度の
豪ドル安が望ましいとし、「こうした為替の調整が
進んでいるようで、それによる混乱もほとんどなく、
拡張的な効果をもたらしている」と述べた。

豪ドルは昨年7月以来、対米ドルで21%下落。

今週は6年ぶり安値を付けた。

労働市場については、3〜6カ月前に予想していたよりも
良い状況にあり、失業率の一段の上昇を食い止める
ペースで雇用が伸びていると指摘した。

この日発表された第2・四半期の豪消費者物価指数
(CPI)は、豪中銀が政策運営で重視するトリム平均値
CPIが前期比0.6%上昇し、市場予想と一致した。

前年比では2.2%上昇し、中銀の
目標レンジである2〜3%の下限付近となった。

コアインフレ率は過去5年間、目標レンジ内で
推移していることになり、追加利下げの余地が
十分あることを示している。