S&P、ブラジル格付け見通し引き下げ=投資適格級失う可能性

格付け会社S&Pは28日、ブラジルの格付け見通しを
「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。

現在の格付けは投資適格級としては
最低水準の「BBBマイナス」。

向こう1年から1年半の間に格下げが行われる
可能性があり、引き下げられればブラジルは
投資適格級の格付けを失うことになる。

この日の外国為替市場でブラジルレアルは対ドルで
3.43レアルと約2%急落、約12年ぶりの安値を更新した。

S&Pはルセフ政権が2期目に入り著しく政策を
調整したものの、ブラジルはなお政治、経済の
両面で困難に直面しているとし、相次ぐ政治家や
企業への汚職捜査も、見通しの重しとなっていると指摘。

S&Pは声明で、レビ財務相が進める緊縮財政措置に
起因する政治的、経済的なリスクが高まっているとし、
「政策の是正が一段と遅延する確率は3分の1よりも高く、
ブラジルがより堅固な成長軌道に戻るには予想より時間が
かかると見ている」とした。

他の主要格付け機関のブラジル格付けは、
ムーディーズ・インベスターズ・サービス
フィッチ・レーティングスがともに「BBB」と
している。

格付け見通しはいずれも「ネガティブ」。

ただ両社の格付けは投資不適格級の2段階上となるため、
ブラジルの投資適格性に疑問を投げかけたのはS&Pが
初めてとなる。