利上げ時期判断、難しさ強調=フォーブス英中銀政策委員

イングランド銀行(英中央銀行BOE)の
フォーブス金融政策委員は、英デイリー・テレグラフ紙に
寄稿し、英国経済は底堅いが世界的に物価には下押し圧力が
強いとして、BOEが利上げ時期を判断することの難しさを
強調した。

フォーブス氏は、英経済は力強く賃金も
改善しつつあるとして、利上げを待ち過ぎると
経済回復を損なうと指摘。

これを受けて為替市場ではポンド/ユーロが一時、
70.645と1週間近くぶりの高値をつけた。

その後は0.1%高の70.95ペンスで取引された。

ポンド/ドルは一時、2週間ぶりの高値となる
1.5690ドルをつけた後、1.5625ドルで取引された。

フォーブス氏は、ポンド高や原油安、中国による
人民元切り下げが世界的に物価上昇圧力を弱める
可能性に言及。

こうした要因は、英国内の基調的な
コスト上昇圧力を目立たなくさせるとした。

BOEの金融政策が世界経済の動向に
大きく左右されることを際立たせた。

テレグラフ紙への寄稿でフォーブス氏は、利上げの
詳細な時期は事前に予測することができないとする
カーニー中銀総裁の意見を繰り返した。

RBSエコノミスト、ロス・ウォーカー氏は
「よく読めば彼女のコメントは、『利上げ間近』とした
報道から受けるイメージよりは、もう少しバランスが
とれており異なる意味合いを持っていた」と指摘。

「市場の受け止めほどは、タカ派的な
コメントではなかったと思う」と話した。

ほとんどのエコノミストが、BOEは米連邦準備理事会
FRB)が金利を上げるまで待つと予想している。

最新の経済見通しでBOEは、最近のポンド値上がりや
原油価格の再下落により、物価下押し圧力は少なくとも
来年の半ばまで続くとの見方を示した。

ポンド高の影響はさらに
長引くかもしれないとした。

フォーブス氏は利上げ時期を決めるにあたり、
ポンド高の物価への影響やエネルギーを
除いたコア物価に注目するとした。