独政府、ギリシャ支援のIMF関与に期待、債務軽減の行方が焦点

先にまとまった対ギリシャ第3次支援をめぐり、
ドイツが国際通貨基金IMF)の経験や監視能力を
買って、その関与に期待を寄せていることが20日
複数の政府関係者の話で明らかになった。

IMFギリシャが抱える債務は持続可能な
水準ではないとして、何らかの軽減策が
講じられない限り、今のところは支援参加を
見送る姿勢を示している。

ただ、ショイブレ独財務相は19日、
IMFの関与は「不可欠」だと表明した。

ドイツがIMFの関与を望む理由として、その資金や、
改革を監視する経験、懐疑的な保守系議員に支援を
納得させるための信頼性向上といった理由が
挙がっている。

ただ、政府関係者らによると、資金は
歓迎するものの、その最大の理由ではないという。

ある政府筋は「何よりも改革手続きを
監視する、その経験だ」と説明した。

IMFが関与しないと、ギリシャも含めた欧州連合
EU)加盟国を代表する欧州委員会が、ギリシャ
改革履行を監視せざるを得ない。

IMFが関与すれば、救済策の信頼性が高まる。

最大の焦点は、IMFは債務軽減を望んでいる一方、
ドイツは債務削減に強硬に反対していることだ。

しかし、ショイブレ氏は今週、債務の持続可能性について
IMFを納得させる措置を講じることは可能だと表明。

IMFの参加に自信を示した。

これについて、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の
デイセルブルム議長(オランダ財務相)は、債務削減ではなく、
金利引き下げ、返済期間延長などで妥協が図られる可能性を
示唆した。

IMF関与の可能性は、ドイツの保守系議員を
なだめるのにも役立ち、19日の議会採決では
与党から記録的な造反が出たものの、救済計画は
承認された。

IMFは10月、救済策の進捗状況の
初回見直しの際に、関与の是非を判断する。