上半期の米インフレ率、発表値より低い可能性大=SF連銀報告

米サンフランシスコ地区連銀は24日公表した報告書で、
米国の上半期のインフレ率について、発表値を著しく
下回る可能性が高いとの見解を示した。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)当局者がそのために
政策決定を誤る可能性は低い、とも指摘した。

同地区連銀の調査スタッフは先に、年の初めの
経済成長率は季節調整が十分なされないために
非常に低い数字となる可能性が高く、実際の
成長率はおそらく発表値を大幅に上回っている
と指摘していた。

報告書によると、スタッフが同様の分析手法を
今年のインフレ統計に当てはめたところ、FRB
重視するコアPCEインフレ率は第1・四半期に
0.3%ポイント、第2・四半期に0.2%ポイント、
発表値が実際よりも高かった可能性が高い
との結果が出たという。

この分析結果は、インフレ率が目標の2%に
近づくことにFRB当局者が確信を持てるか
どうかという利上げの判断基準に疑問を
投げかける可能性がある。

ただスタッフは、FRB当局者は政策決定にあたり、
完全雇用と物価の安定という2つの目標の両方を
考慮するため、発表されたインフレ率の過大評価によって
時期尚早な利上げに動く可能性は低いとみている。

報告書は「上半期のインフレ率は現在発表されている
値よりも低く、上半期の経済成長率は発表値よりも
高いと推定する」と分析。

その上で、当局者は国内総生産GDP)のような
包括的な統計でも、一つのデータを完全に
信用すべきでないと考えているため、残存季節性に
伴う一時的な統計の歪みに惑わされる可能性は低い、
としている。