政治制度に欠陥、危機再発・成長低迷リスク=クーレECB理事

欧州中央銀行(ECB)のクーレ専務理事は、欠陥を
抱えた欧州の政治制度が危機の再発を招き、成長を
低迷させる恐れがあるとの考えを示した。

仏外交官の会合で述べた。

とりわけ再配分をめぐる終わりのない政治交渉が
各国の世論を二極化しており、全体的な成長戦略の
確立を阻んでいると指摘。

「こうした姿勢を続けていれば、われわれの将来は
成長低迷と度重なる危機に見舞われる」とした。

またユーロ圏から加盟国を離脱に追いやるとの概念は、
不安定な事態を招く「邪悪な悪霊」と断じた。

支援協議が難航する中で、ショイブレ独財務相などが
公然とギリシャの「一時的な」ユーロ圏離脱を提案するなど、
同国は第3次支援で今月合意に至るまで、離脱の
瀬戸際まで追い込まれた。

だがクーレ専務理事は離脱が現実のものとなれば、
「次はどの国が離脱に追い込まれるのかとの憶測が
浮上するのは避けられず、波乱を招く恐れがある」とし、
ユーロは不可逆的でなければならないと主張した。