米利上げ実施なら材料出尽くし

今週の為替相場は、米FOMC動向を
睨んだ展開になりそうです。

FRBが、どのタイミングで超緩和策から
利上げに向けた舵を取るのかが注目されています。

当初、米国景気の力強い動きや雇用統計が
回復軌道を明確にしたことで、9月の米FOMCでの
政策変更を見通す声が大勢となっていました。

ところが、中国景気の不透明感が強まる中で、
中国上海株価の急落が世界株価の同時安に繋がり、
世界市場が脆弱な中で、米利上げは難しいとの見方が
広がり始めました。

特に、新興市場国が米利上げには耐えられない
との見方が広がり、米国も世界の金融市場に配慮して、
利上げは年末に先伸ばしするのではないか、
との希望的観測が広がりました。

しかし、その後発表された米国の経済指標は利上げが
相応しい内容となり、新興市場国も上海株安の悪影響を
クリアした感が見られています。

米国内では、タカ派の地区連銀総裁が
利上げの正当性を主張しています。

イエレンFRB議長は、利上げに慎重との見方が
ありますが、米国経済にとって利上げが有効と
判断すれば、敢然と利上げを行うと見ています。

その確率は、40%程度と見ています。

中国株価の落ち着きや世界の株価の落ち着き、
一番大切な米国株価の落ち着きが確認できれば、
あっさり利上げに踏み切ると見ています。

その場合、やや意外感がありますが、利上げを
行ったことで、材料出尽くし感が広がる可能性があります。

ドルが対円で120円台に乗せたのは、米国の利上げを
材料にしたもので、材料出尽くしとなれば、120円が
ドルの上限になる可能性があります。

逆に、利上げが時期尚早として実施できなければ、
120円前後2円程度でレンジ圏の動きにとどまる
可能性があると思います。

この中、欧州のギリシャ懸念も一服状態と
なっていることで、ドル、円、ユーロが
三竦みの動きとなり、レンジ圏で収束する
可能性はかなり高いと思います。

懸念材料は、中国の経済動向と株価の動きで、
世界株価の下落が再燃すれば、リスク回避の
円買いが強まる可能性があることには留意したい
と考えます。

日本の材料で懸念されるのは
安部首相の動向です。

安保法案があと一歩で成立する可能性が
強まっているので、簡単に辞職や政権を
投げ出すことはないとは思いますが、
前回も突然、健康上の理由で、辞職したことから、
何か障害が出れば、あっさり辞職することには
注意する必要があると思います。

一寸先は闇、政界の格言を
思い出す必要があると思います。

安部首相の辞任は、為替相場には
響かないと考えています。

日本を代表する人だとは、
思っていないので。

これ海外の人も同じだと思います。

予想レンジは、
ドル円が116.20〜122.20円、
ユーロ円が132.20〜138.20円、
英ポンド円が182.20〜188.20円、
ドル円が81.20〜88.20円。