米労働市場の引き締まり継続、製造業ドル高で痛手=地区連銀報告

米連邦準備理事会(FRB)は14日公表した地区連銀経済報告
(ベージュ・ブック)で、労働市場の引き締まりは
継続しているものの、賃金の伸びにはほとんど寄与しておらず、
製造業部門はこのところのドル高の痛手を受けている
との認識を示した。

FRBは報告で、8月中旬から10月初旬にかけて
経済活動は控えめに拡大し続けたと指摘。

ただ、製造業部門はドル高の影響を受け、
全般的に低調だったとの見方を示した。

製造業にとってドル高が最も差し迫った逆風で、
中国経済の減速はそれに次ぐ形となっている。

報告は「ドル高が製造業の活動や観光支出を
抑制していると、いくつもの地区が指摘した」
としている。

中でも、鉄鋼業はドルの値上がりに伴って中国などからの
輸入品が安くなったことから国内の価格競争が厳しくなり
低迷が続いた。

労働市場は大半の地区で引き締まった。

人手不足を指摘する地区もあり、特に
専門技術職でその傾向は顕著だった。

ただ、賃金の上昇は「概ね抑制されていた」とされ、
上昇圧力が増したとの報告は散見される程度にとどまった。

賃金上昇は専門性の高い職種に集中していたという。

フィラデルフィア地区は、正社員よりも
パートや臨時雇いの方が増えたと報告。

ダラス地区はエネルギー業界で
一時解雇が続いているとした。

報告は、ニューヨーク連銀が10月5日までに
入手した情報に基づいてまとめた。