ドル強調も、一進一退か

今週の為替相場は、ドルが強調推移を見せると
思われるものの、動きは一進一退を想定しています。

米国の利上げに対する見方が、為替相場
大きな影響を与える展開となっていますが、
イエレンFRB議長が、先の議会証言で12月の
FOMCで利上げの可能性があることを指摘したことで、
市場は12月に米国の利上げがあると見る向きが
大勢を占めています。

これまでは、中国経済や世界経済が不透明な
動きを見せていたことで、米国が利上げに
踏み切れないとの見方が多かったのですが、
イエレンFRB議長が外部要因に影響されないことを
示したことで、米国の利上げに対する足枷がなくなった
との見方に繋がったようです。

これまでも、9月の利上げを睨んで、ドルが
買われていた経緯がありましたが、中国経済
異変で、利上げ無し=ドル下落という動きを
見せていただけに、今回もイエレンFRB議長の
指摘が今後も継続するのか否かを見極める姿勢が
強まるものと思います。

経済面では、引き続き中国経済
新興市場国経済の動きが気掛かりです。

一応の落ち着きを見せていますが、中国経済
本当に落ち着いているのでしょうか、なお細部を
見極めたいと考えています。

また、南シナ海での米中の
対立も大きな材料になりそうです。

米中ともに、実際に武力衝突に
繋がるような事態は避けるものと見ています。

間違っても、武力衝突に
繋がるようなことは無いと思います。

ただ、怖いのは中国が力を過信して、
米艦船や航空機に接近することです。

この辺は、米国や中国の軍幹部の接触
無いと思いたいのですが、中国軍人が
この緊張感に耐えることが出来るのか否か、
甚だ疑問です。

偶発的な衝突があった場合には、ドルは
買えない通貨ということになってしまうのかも
しれません。

この中、中国と台湾の首脳が分離後初の
首脳会談を行うとの報も流れており、
この中身次第では、台湾を巡る米中の対立が
一段と強まる可能性も出ています。

経済面だけではなく、軍事面の緊張がドルにとって、
大きな材料になる可能性が出ています。

日本は、米国の行動を支持する発言を行っていますが、
実際に自衛艦南シナ海に出動することは考えにくく、
これで円が売られる可能性は少ないと思います。

ただ、南シナ海で武力衝突があった場合には、
自衛艦の協力を請割れることもある可能性が
あります。

その場合には、円も有事に参加したことで、
売られる可能性が出てくると思います。

この時には、ユーロが武力衝突の現場から
離れていることで、ドルや円の避難通貨となる
可能性があります。

問題は12月にも追加緩和が
行われる可能性が強いことです。

金利差が意識されると、ユーロも
買えないことになりそうです。

結局、ドルは強調推移も、一進一退が
想定されることになりそうです。

予想レンジは、
ドル円が117.20〜123.20円、
ユーロ円が128.20〜134.20円、
英ポンド円が184.20〜190.20円、
ドル円が83.20〜90.20円。