円、上値メドを意識か

今週の為替相場は、円の上値メドを
意識する展開が予想されます。

日米の金融政策は、どちらも据え置き
となりましたが、今年4回の利上げが
想定されていた米国が、2回の利上げに
とどまるのではないか、そんな見方が
強まったことで、ドル売りが強まる動きが
見られました。

110円台に入ると、日銀によるレートチェックの
噂が流れるなど、円買いも勢いがなくなってきます。

ただ、米国が利上げを見送っているのは、
強いドルが米国経済の障害になっているのは
間違いないところです。

米国の本音は、ドル安を維持したいと
考えているようです。

特に、今年は大統領選挙も行われるので、
ドル高が米国経済に悪影響を与えることは
避けたいと考えているようです。

特に、共和党の有力候補になってきた
トランプ氏が通貨安を進めているとして、
日本を名指しで非難しています。

円安で、米国の雇用を奪っている
などと発言しています。

他の候補も、このような貿易問題では、
米国の利益を優先する姿勢を示すと思います。

今まで以上に、為替相場の水準が
問題視される可能性が出てきたのです。

これまでは、日本がデフレから脱出するために、
円安を意図する政策を行っていることを大目に
見ていた感もありました。

ただ、日本が当然の策として円安を肯定するような
姿勢を見せると、すかさず円安を牽制するなど、
為替相場の動きには厳しい姿勢を見せています。

未来の大統領達も、こうした姿勢には変化がありません。

むしろ、政府以上に厳しい姿勢を見せると思います。

となると、日本が円安を意図するような金融緩和を
行っても、円安を米国は望んでいないことは明らかです。

そうなると、米国の利上げの可能性より、
日本の追加緩和の可能性の方が早まっても、
金利差で円が売られる可能性は少ないと思います。

米国で大統領選挙のある年は、為替相場
米国の意向に添った動きをします。

米国がドル高で不利益を被っているとの見方が
出始めていることで、従来の為替相場が動く理由に
変化が生じるものと思います。

今は、110円が円の上値になっていますが、
110円を超えたら、一気に円高に進む
可能性が強いと思います。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜113.20円、
ユーロ円が123.20〜128.20円、
英ポンド円が157.20〜163.20円、
ドル円が81.20〜86.20円。