円高余地、広がる

前週末29日のNY外国為替市場では
円が対ドルで続伸しました。

一時106円28銭と2014年10月下旬以来、
1年半ぶりの円高水準を記録しました。

円は対ユーロでも上昇し、
円独歩高の様相を示しています。

円が上昇したのは、日銀が追加緩和策を
見送ったことが大きな要因となりました。

市場は、日銀が目標としている消費者物価の
年2%の上昇を2017年後半に先送りすることを
発表したことも、追加緩和策の見送りと相俟って、
失望感が広がり、これまで追加緩和を見込んで
売っていた円を買い戻す動きが一気に強まったと
見られています。

さらに、発表された今年第1四半期の
GDP速報値が予想を下回ったことが
ドル売りに繋がり、円を押し上げたと
見られています。

さらに、週末に米財務省が発表した
半期為替報告で、日本、中国、韓国、
台湾、ドイツを監視国に決められたことも、
円にとっては上昇余地が広がったと
見られています。

日本は、為替操作国と見られていることで、
円高が進んでも、円売り介入は行えないのではないか、
そんな見方が広がり始めていることも、円高
意識される要因になっているようです。