英、EU離脱を決定、首相は辞意を表明

英国で23日に実施された欧州連合EU)離脱の是非を問う国民投票は、
24日朝までの開票の結果、離脱支持が小差ながら半数を上回った。

英国民は前身の欧州共同体(EC)を含めると43年にわたるEU加盟に
終止符を打つ歴史的な判断を下した。

これを受け、残留派を率いてきたキャメロン首相は辞意を表明した。

EUは域内第2位の経済規模の英国を失い、欧州全体の行方にも
不透明感が広がっている。

英国は今後、EU基本条約(リスボン条約)50条の規定に従い、
2年間の交渉期間を経て離脱する運びとなる。

キャメロン首相は声明で、新たな首相が交渉に当たり、
その開始時期も決めるべきだと強調し、10月の与党・
保守党大会までに辞任する考えを示した。

今回の結果に直撃された24日の東京外国為替市場は大混乱に陥り、
「安全資産」とされる円に投資家の資金が逃避し、一時1ドル=99.00円まで上昇し、
英ポンドやユーロも急落した。

日経平均株価終値は前日比1286円安の大幅な下げとなるなど、
アジアや欧州、米国の株価は軒並み急落した。

国民投票の首席集計官が24日朝、中部マンチェスター
発表した最終結果は、離脱1741万742票(51.89%)、
残留1614万1241票(48.11%)だった。

離脱派を主導した英独立党(UKIP)のファラージュ党首は
「6月23日を独立記念日にしよう」と歓喜の声を上げた。

投票率は72.2%と国民の関心の高さを示した。

残留派は「離脱は英経済に大打撃となる」と主張したが、
離脱派は、域内の移動の自由の原則により流入する
EU諸国からの移民の脅威を強調した。

残留派はロンドン、マンチェスターなど大都市部や
スコットランドで強みを見せたが、大都市部を除く
イングランド地方部では予想以上に離脱派の勢いが
大きかった。

キャメロン首相は2013年、国民投票の実施を公約し、
今年2月のEU首脳会議で、英国が求めたEU改革案で
合意したのを受け、残留を訴えて今回の投票に臨んだ。