英離脱交渉は9月以降に=EU首脳会議

ブリュッセルで開かれている欧州連合EU)首脳会議は28日夜
(日本時間29日未明)の夕食会で、キャメロン英首相から23日の
国民投票で決まったEUからの離脱の通告について「次期首相に
委ねる」と説明を受け、各国首脳も基本的に了承した。

実際の交渉開始は次期首相が
選出される9月以降になる見通し。

夕食会終了後、記者会見したトゥスクEU大統領は、
キャメロン首相との議論は「穏やかで抑制的だった」
と指摘。

英国には「状況が落ち着くまで時間が必要だ」とし、
混乱に陥っている英国の政治や社会状況に配慮を見せた。

ただ、会見に同席したユンケル欧州委員長は「離脱派から
首相が選ばれるなら、選出翌日に通告すべきだ」と述べ、
通告を引き延ばして時間を稼ごうとする動きをけん制した。

EU側は首脳会議前から「通告がなければ交渉しない」
(トゥスク大統領)との姿勢を明確にしており、
今後も非公式であっても離脱に関する交渉には
応じない方針とみられる。

一方、キャメロン首相は別の会見で、「結果は残念だったが、
国民投票を実施したことは後悔していない」と強調。

その上で「英国はEUを去ろうとしているが、EUに背を向ける
わけではない」と述べ、EUとの緊密な関係を維持するため
最善を尽くす意向を示した。