S&P、EUを格下げ
大手格付け会社S&Pグローバル・レーティングは30日、
欧州連合(EU)の長期信用格付けを上から2番目の
「AAプラス」から「AA」に1段階引き下げた。
英国のEU離脱決定を受け、加盟国の政治的な
結束が弱まり、財政の安定性が低下したと判断した。
高い信用力を維持していたEUは自ら債券を発行し、
「欧州金融安定化メカニズム(EFSM)」を通じ、
アイルランドやポルトガルなど信用力の低い
加盟国に融資している。
今後も格下げが続けば、加盟国支援に
支障が生じる可能性もある。
EU予算への拠出額で英国はドイツ、
フランスに次ぎ3番目となる。
S&Pは格下げ理由の中で、英国離脱によって「(残された)
加盟国は今後の予算枠組みをめぐり、複雑な交渉を
迫られることになる」と懸念を示した。
S&PのEU格付けの引き下げは、欧州債務危機に
直面していた2013年12月以来。
ただ、今後の見通しについては「他の加盟国はEUを
離脱せず、政策への支援を約束する」と予想し、
「安定的」とした。