日銀、追加緩和を決定、上場投信購入6兆円に倍増
日銀は29日、金融政策決定会合を開き、
追加金融緩和を賛成多数で決めた。
緩和は1月のマイナス金利政策の
導入決定以来、6カ月ぶり。
株価指数連動型の上場投資信託(ETF)の
買い入れを現在の年3.3兆円から6兆円に増額する。
企業や金融機関の外貨調達の支援強化も決めた。
金融機関が預ける日銀当座預金の一部に適用する
マイナス金利は現行水準のマイナス0.1%に据え置いた。
日銀は政府が8月2日閣議決定する総合的な
経済対策と「相乗効果を発揮する」と表明した。
政府と日銀が連携し、デフレ脱却へ向け、
2%の物価上昇目標の実現を目指す強い決意を示した。
ETF買い入れの増額は政策委員9人のうち、
賛成7人、反対2人だった。
通貨供給量を増やすため実施している
現在の年間80兆円の国債購入は増額を見送った。
今回の会合でまとめた日銀の最新予測である
「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、
2%の物価上昇目標の実現時期について、従来通りに
「2017年度中」としながらも「海外経済の
不透明感から不確実性が大きい」との文言を加えた。
日銀は追加緩和の理由に関し、英国の欧州連合(EU)
離脱問題や新興国経済の減速など海外経済の不透明感が
高まり、金融市場は不安定な動きが続いていることから
「企業や家計のコンフィデンス(心理)悪化に
つながるのを防止する」のが狙いだと説明した。
展望リポートでは、2016年度の消費者物価(除く生鮮食品)
上昇率見通しを前年度比0.1%(従来0.5%)に下方修正。
2017年度は1.7%と従来見通しを維持した。
今後の金融政策に関しては「必要な場合は追加的な
金融緩和措置を講じる」と改めて強調し、次回9月の
決定会合で、現行の大規模緩和政策の効果などについて、
総括的検証を行うことを明らかにした。