円、上値メドを意識する動きか

今週の為替相場は、円が上値を
再度意識する動きが予想されます。

前週は、日銀は追加緩和を行うとの見方が
支配的となって、円は対ドルで106円台に
下落する動きとなりました。

日銀の金融政策決定会合を前に、円を
買い戻す動きが出ましたが、金融政策決定会合では、
追加緩和が決まりました。

これを受けて、円は売られましたが、
追加金融緩和の中身が、上場投資信託ETF)の
買い入れを倍増する追加緩和策だったことで、
市場は失望感を示し、円を買い戻す動きが
強まりました。

円は103円台、102円台に上昇しました。

これには、米国で発表された第2四半期のGDP
予想が下回る数字にとどまったことも影響を与えました。

米国が利上げをするには、物足りないGDPであることが、
円買い・ドル売りに拍車をかけました。

円は対ドルで101円台に迫る水準まで上昇し、
102円台前半の高値圏で週を越しました。

この流れを今週も次いで、円が
上値メドを探る動きが強まると思います。

米国では週末に、雇用統計が発表されますが、
新規雇用者が18万人増程度にとどまると
予想されていることが、気掛かりです。

前回は28.7万人増と予想を大幅に上回り、
米国の利上げを元気づけましたが、今回は
前々回ほどの小さな増加とはならないとの声が
強まっています。

今回は18万人増程度が予想されていますが、
それでも、30万人には程遠い数字で、
年2回の利上げがささやかれている中で、
20万人を割り込むような数字が出てくれば、
利上げの声が小さくなる可能性が出ています。

一方、欧州では、英国のEU離脱を映した
経済指標の発表が出始めています。

いずれも、英国、欧州ともに、経済には
悪影響を与えていることを確認する数字が
出ています。

英国自身が金融緩和を行うことで、経済の悪化に
対応する姿勢を市場に示すのか否か、注目されます。

この動きは欧州にも波及して、世界的な金融緩和の
きっかけになる可能性もあるわけで、英中銀の行動に
大きな関心が集まっています。

この中で、米国だけが、
利上げを行うことが出来るのでしょうか。

日本は、円高を阻止するために、追加緩和策を
強化する可能性があるわけですが、米国からは
円高を阻止するような緩和策に否定的な声が
聞かれています。

結局、日本は円安を阻止するような緩和策を
行うことは出来ず、円高をある程度放置せざるを
得ない状況になる可能性があります。

新たな円高の一歩、そんな週になる
可能性が強まっています。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜104.20円、
ユーロ円が109.20〜116.20円、
英ポンド円が128.20〜136.20円、
ドル円が73.20〜79.20円。