米利上げ確度は6割か

今週の為替相場は、発表された米雇用統計で、
新規雇用が15.1万人増にとどまったことで、
9月下旬の米国の利上げの確度は、6割程度に
とどまるのではないかとみられます。

米雇用統計が発表された直後の為替相場は、
直前まで売られていた円が買い戻される動きが
見られました。

非農業部門の新規雇用が市場予想を下回ったことが
要因ですが、その後は時間当たり賃金が上昇したことを
背景に、9月下旬の米国の利上げの可能性が鷹回った
との見方から、円売りが強まりました。

ドル円は104円台に、ユーロ円は116円台に、
英ポンド円は138円台と、円が一段安となっています。

イエレン米FRB議長が先に指摘されたように、
9月下旬の利上げの確度が強まったとの読みが、
それまでリスク回避の円買いが強まっていた分、
円売りが持ち込まれているものです。

しかし、今回の雇用統計は悩ましいものと
なっています。

もともと、8月に発表される雇用統計では、
公共部門の雇用が減少する傾向があり、
非農業部門の新規雇用は市場予想を下回る
動きとなっていましたが、その通りの結果と
なりました。

しかし、市場は、事前に新規雇用は増加している
との見方から、新規雇用が20万人を大幅に下回ると
予想していなかった分、当初の円買いが
見られていたわけです。

FRBは、利上げありきという感じで動いていますし、
連銀幹部の発言も利上げを正当化する発言が
多くなっており、雇用統計の中身がどんなものでも
利上げを行うという意識が強かったと思います。

その意味では、新規雇用が20万人を上回るものとなった方が、
利上げを行いやすい、そんな感じがしたと思います。

今年中にあと2回の利上げを行うとすれば、
9月の利上げは避けられないところであり、
市場に米国が利上げを行うことを、連銀幹部の
発言で説得したというところでしょうか。

とはいえ、FRB幹部が指摘すればするほど、
米国の経済は本当に大丈夫なのか、利上げを
行うことが経済の足かせになるのではないのか、
そんな疑問が出ています。

以前だったら考えられない、大統領選挙中の
金融政策の変更を行うことも、FRBのやり方に
疑問を覚えます。

そのような様々な疑問を材料にしながら、
ドルをどこまで買っていけるのか、円を
売って安心感が広がるのかを見極める動きが
強まるものと思います。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜106.20円、
ユーロ円が110.20〜118.20円、
英ポンド円が132.20〜140.20円、
ドル円が72.20〜80.20円。