円買い優位な動きか

今週の為替相場は、円買いが
優位な動きが予想されます。

日米の金融政策は、米国が政策金利
据え置きを決定した一方、日本では
新たな金融緩和を行うことが決まりました。

米国の据え置きは予想の範囲内で、
日本の金融緩和も予想の範囲内になりました。

日本の金融緩和が発表された直後は、
円売りが先行する動きが見られましたが、
円売りも限定的となりました。

むしろ、日際の新たな金融緩和の効果に対する
懐疑的な見方が強まり、円を買い戻す動きが
見られました。

その後、発表された米国の金融政策据え置かれると、
ドル売りが強まり、円は100円台前半まで上昇しました。

この動きに対しては、財務省、日銀が
臨時会合を開き、円高の進行を牽制しました。

市場は、介入も辞さないとした関係者の
発言を受けて、取り合えず円買いの勢いを
弱めました。

101円前後に円は弱含みましたが、
円の下値も限定的でした。

結局、日米の金融政策を巡る為替相場
動きは意外に穏やかなものとなりました。

100〜105円のレンジ内で収束したわけです。

その前も、為替相場は比較的安定した動きを
続けており、大きな材料が出たわりには、
静かな動きが続いているわけです。

日本は、100円を超えて90円台に
円が上昇することに強い懸念を示しています。

市場が比較的落ち着いた動きを示しているなかで、
介入を示唆するのは如何がなものでしょう。

以前に比べて為替相場は大人しくなりましたが、
国を挙げて、一段の円高進行は許さないことを
表明したことで、市場の反発を誘うことになるのではないか
と懸念しています。

相場は行き過ぎたら戻す、「振り子の原則」が
あるのですが、円高を恐れるあまり、人為的に
市場を操作すると、市場から思わぬしっぺ返しを
受ける可能性が高まることを忘れてはいけません。

市場がドルは安くなると考えているのは、
それなりに理由があるからです。

ユーロや英ボンドが下落しているのは、
欧州発の金融危機の可能性が否定できないからです。

結果として、円が買われているのです。

この構図は、変わりません。

円が売られるのは、北朝鮮の暴発、
中国が東シナ海で軍事行動を起こした時や
尖閣諸島に中国漁民と称する中国人が
乗り込んだ場合です。

これらの危機は、徐々に高まっています。

こうした突発的な出来事に
注意を払う必要があると考えています。

介入で、円安にすることは、
かなり難しいと思います。

予想レンジは、
ドル円が96.20〜103.20円、
ユーロ円が108.20〜116.20円、
英ポンド円が126.20〜134.20円、
ドル円が72.20〜80.20円。