円高余地を意識か

今週の為替相場は、円高余地を
意識する展開が継続するものと思います。

日銀短観、米雇用統計など、
大きな材料が控えています。

日銀短観は前回とほぼ同水準となることが
予想されています。

円高進行に対する警戒感はあるようですが、
これが日銀短観に与える影響は今のところ
少ないと見ています。

日銀短観為替相場に与える影響は大きいものではなく、
日銀短観が下振れてもその影響は少ないものと思います。

また、米国の雇用統計は、引き続き
非農業部門の新規雇用が材料になると思います。

市場の事前予想では、17.5万人増程度が
予想の中心になっています。

これが30万人増となれば、大きなドル買い材料
なると思いますが、20万人台半ば程度の増加に
とどまっても大きな材料にはなりにくいと考えています。

むしろ、10万人台半ばを下回るような数字や
10万人台を割り込む数字が出れば、ドル売りが
強まる動きが予想されます。

ドル売り材料に反応しやすい
流れが続いていると思います。

この中、ドイツやイタリアの金融機関の
経営状態が為替市場の材料になっています。

これらの国の金融機関の経営不振が伝わると、
ユーロやドル売りが強まり、相対的に円が
買われる動きとなっています。

不安は依然として強く、どちらかと言えば、
不安を材料にユーロ売り、ドル売りが
意識される動きとなっています。

欧州の金融機関の経営不振は継続しているもので、
悪い材料に対する反応が強い状況に変化はない
と思います。

金融機関の経営問題が意識されると、これまでの
レンジを超える欧州通貨売りが強まることに
注意したいと思います。

この中、原油価格動向が材料になってきました。

OPEC(石油輸出国機構)が原油減産で合意したことで
ドル買いが強まる動きを見せています。

実際には、実行力のある減産が為されるのか
否かが材料になると考えます。

これまでも、減産に向けた努力はされましたが、
結果として減産で足並みが揃わなかったことが多く、
原油価格上昇に繋がる減産合意が出来るのか
どうか見極めたいと思います。

結果的に、今週も相対評価で円を
買いやすい材料が多いと考えています。

最近のレンジ圏内の動きの中で、100円を超える
円高が定着するのか否か、見極めたいと考えます。

そうした動きが強いことを意識して、日本では
介入も辞さない姿勢を示したものと思います。

言葉の介入がいつまで効力を
維持出来るのか、注視したいと思います。

予想レンジは、
ドル円が96.20〜103.20円、
ユーロ円が108.20〜115.20円、
英ポンド円が126.20〜133.20円、
ドル円が72.20〜79.20円。