年内利上げ観測でドル買いどこまで

今週の為替相場は、年内の米利上げ観測が強まる中で、
ドルがどの水準まで買い上げることが出来るのか、
注目されます。

米国の経済指標は、足下の米景気の
堅調な流れを窺わせるものとなっています。

多くの見方では、11月はともかく、12月のFOMCでは
利上げが実施されるのは間違いないとの見方が支配的と
なっています。

ただ、時折、米国の経済の弱さを意味する経済指標の
発表がされて、利上げを確信する考え方が揺らぐ動きも
見られています。

FRB内部でも、利上げについては
慎重な意見も聞かれています。

市場は、こうした強気、弱気の発言を受けて、
ドル買い・ドル売りを繰り返している感じが
しています。

手放しで、利上げに傾けない、何かがあることが、
市場の方向性を決定付けられない動きに繋がっている
ようです。

これで、利上げが出来ないことになると市場は
大きく動揺する可能性が強く、「米利上げ」実施観測が
高まっていることが落ち着いた市場の動きに繋がっている
と見ています。

「米利上げ」という支えがなければ、
ドルはいつ急落してもおかしくないと見ています。

一方、欧州では金融機関の経営状態を
懸念する声が広まっています。

これまでは、ギリシャ、イタリアなど、
南欧の金融機関の経営危機が懸念されていました。

今回は、欧州の主要金融機関である
ドイツ銀行の経営に対する懸念が広がっています。

欧州の牽引車である、ドイツの金融機関は
経営の不安はないとされていました。

ところが最近では、超優良なドイツ銀行
経営に対する懸念が広がっています。

弱気の声が根強い一方で、そこまで心配する
必要はないとの声も出ています。

英国がEUから離脱することに加え、ドイツの
超優良金融機関の経営危機が取り沙汰されていることで、
欧州に対する不透明感が強まってきたことで、
市場に心理的な圧力が高まっているようです。

このような不透明感が強いことで、一方向に
相場が動きにくくなっているのかも知れません。

逆に言うと、動けないと市場が考えているとしたら、
値動きが荒くなることにも備える必要があるかも
知れません。

六割は相場は動かない、四割は動きが
出ると考えらるのではないでしょうか。

その場合、普通に考えたら、米国の利上げを
材料にドル買いが優位になると読むなのだと
思います。

しかし、ドルを巡る材料が不安定なことを考えると、
ドルが上昇するようなことがあれば、ドル売りに
拍車がかかる可能性は残っていると思います。

ドルが上値を抜けなかった場合の
備えをする必要があると思います。

予想レンジは、
ドル円が98.20〜105.20円、
ユーロ円が108.20〜105.20円、
英ポンド円が120.20128.20円、
ドル円が74.20〜81.20円。