日米首脳が真珠湾慰霊

安倍晋三首相とオバマ米大統領は現地27日午前(日本時間28日朝)、
旧日本軍が1941年に米国との戦端を開いた真珠湾を訪れ、犠牲者を
慰霊した。

首相はこの後の演説で、二度と戦争を繰り返さない決意を
表明するとともに、戦後に強固な同盟を築いた日米の「和解の力」を
国際社会に向けて発信した。

日米の首脳がそろって真珠湾を訪れるのは
開戦後の75年間で初めてのこと。

攻撃を受けて沈没した戦艦アリゾナの上に建つ
追悼施設「アリゾナ記念館」で献花した。

首相と大統領はこの後、アリゾナ記念館に臨む埠頭に
移動し、並んで演説した。

首相は「日米は歴史にまれな、深く強く結ばれた同盟国になった」
と指摘し、「私たちを結び付けたものは、寛容の心がもたらした
『和解の力』だ」と語り、戦後の平和と繁栄を下支えした米国への
謝意を示した。

真珠湾攻撃に関して、首相は「ここから始まった戦いが奪った、
全ての勇者たちの命に、無辜の民の魂に哀悼の誠をささげる」
と強調した。

謝罪や反省には直接言及しない一方、「(兵士らの犠牲という)
厳粛な事実をかみしめるとき、私は言葉を失う」との心情を
表すとともに、「戦争の惨禍は、二度と繰り返してはならない。
この不動の方針をこれからも貫いていく」と力説した。

両首脳は記念館訪問に先立ち、大統領の
任期中では最後の会談を行った。

来年1月に発足するトランプ次期政権を念頭に首相は、
「日米同盟をさらなる高みに押し上げていきたい」と述べ、
一層の同盟深化を誓った。