波乱含みの動きか

今週の為替相場は、波乱含みの動きを継続か。

トランプ米次期大統領の就任式を前に、トランプ氏が
初めての記者会見を行ったことで、この内容を巡って、
思惑が広がり、ドル円は乱高下の動きとなりました。

トランプ氏が当選直後には、トランプ氏の積極的な
経済政策を好感したドル買い、米株買いが市場では
強まりましたが、記者会見で、経済政策について
希望的な話が出ずに、恫喝を繰り返すトランプ氏の
発言に失望したドル売りが先行する展開となりました。

ドル円は一時113円台までドルが急落する動きが見られました。

その後は、ややドルが買い戻されましたが、今後の
発言次第では、さらにドルの下値を探る動きが出るのでは
ないかとの不透明感も広がっています。

米国への投資を誘うにしても、トランプ氏の発言では、
米国内企業はもちろん、海外企業に対しても、米国内の
雇用を増やすような投資でなければ認めない、高い関税を
かけるなど、相変わらず恫喝発言に終始していました。

米国内に投資を誘い込んだんり、米国の経済発展のために、
どのような施策を行うのかについての提案は全くありませんでした。

世界に尊敬される政府、大統領を目指すことはわかりましたが、
力技で、そうした事態を作りこむと主張されても、市場は
どのように反応してよいのか、わからないところです。

市場は、トランプ氏の実効性のある経済政策の
発表を待っているのです。

しかし、相変わらず、力づくで米国に投資を呼び込むことを
強調しているわけで、本当に、米国経済が順調な回復を行えるのか、
不安が少なくない状態です。

就任演説では、もう少し格調の高い演説を聞くことが
出来るのかもしれませんが、欧州の彼人のような演説に
なった場合、世界は米国に対してどう付き合っていくことに
なるのでしょうか。

少し不安が薄れているのは、トランプ政権を担う人が
意外に冷静で、オバマ政権の政策を引き継ぐことを
明言したり、同盟関係は大事にし、欧州との結びつきも
大事にしていくことを改めて宣言しています。

また、ロシアとの関係も、冷静な関係を
構築していくとの発言もありました。

ロシア一辺倒になる可能性があったトランプ氏の姿勢と
やや違っていることが、世界秩序の安心感につながる
可能性が強まってきました。

ただ、中国との関係はちょっと不安です。

そんな様々な国際関係を構築していく、トランプ政権に
対する不透明感があって、ドルは大きく売られましたが、
この発言が蒸し返されるようなこと、もっと先鋭化するような
ことがなければ、金融市場は落ち着いた動きに戻るのかもしれません。

まずは、トランプ次期米大統領の就任式目前の発言(ツイート)や、
就任式での演説を注意深く見極める動きが予想されます。

予想レンジは、
ドル円が110.20〜117.20円、
ユーロ円は118.20〜124.20円、
英ポンド円が136.20〜142.20円、
ドル円が82.20〜88.20円。