トランプ懸念、引き続き材料視

今週の為替相場は、トランプ米大統領の発言を
引き続き意識する展開が予想されます。

前週末は、発表された米雇用統計で、非農業部門の
新規雇用者が事前予想を大きく上回ったものの、
時間当たり賃金が伸び悩んだことなどを要因に、
早期の米国の利上げは遠退いたとの見方が強まり、
ドルは下落する動きとなりました。

この流れを受けて、今週はドルの下値が
意識される展開が想定されます。

日米金利差を考えれば、ドル買い・円売りが
強まる可能性が強いと思います。

ただ、トランプ米米大統領が中国の元安誘導とともに、
日本の円安誘導、さらにドイツに対してもユーロ安誘導を
批判しています。

この発言が、為替市場には大きな材料になっています。

さらに、米国ファーストを唱える中で、米国に有利な
貿易条件を整えていることに対する不安感が市場には
広まっています。

この中、今週末、10日には、日米首脳会談が
ワシントンで開催されます。

日米首脳会談を前に、マティス米国防長官が
韓国、日本を訪問しました。

この場で、東アジアでの米国の強い関与を約束しました。

韓国とは、北朝鮮の脅威に対して、協力することを約束しました。

日本に対しては尖閣諸島に対して、米軍が守ることを明確に約束しました。

また、懸念されていた在日、在韓米軍の費用負担についての
言及はなく、米韓、日米の軍事的繋がりの強さを強調しただけでした。

日本、韓国ともに、米軍の負担を要求されなかったことで
安心感が広がっています。

日米首脳会談の前に、米国からアメを送られたようなものです。

日米首脳会談では、貿易面での厳しい要求を
求められる可能性があります。

もちろん、日本側が否定している、為替相場について
強い圧力がかかる可能性は否定できません。

日米の同盟関係の強化は合意されると思いますが、
貿易面ではかなり高度の政治判断を日本側は強いられる
可能性が強まるものと思います。

トランプ米大統領は、得意のツイッターで、
日米首脳会談前から、圧力をかけてくると思います。

既に、日本政府は何らかの「お土産」を用意しているようですが、
円安を放置することは許されないと思います。

ある程度の円高水準を迫られる可能性が出てくると考えます。

市場は、トランプ米大統領の本音は知っているので、
ドル安・円高に振れ易い地合いが出来ていると思います。

112円台をどんなスピードで超えるドル安・円高となるかを
注目したいと思います。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜114.20円、
ユーロ円が118.20〜124.20円、
英ポンド円が136.20〜142.20円、
ドル円が84.20〜88.20円。