円、米国睨みで底堅い動きか

今週の為替相場は、米国睨みで円が
底堅い動きを継続するか。

先のFOMC議事録では、米国の利上げについて
前向きな記述がされていましたが、6月までの
利上げの確度は高まりましたが、早期の利上げに
ついては慎重なのではないか、との見方が市場では
強まっています。

米債券市場では、債券利回りが低下するなど、
足下の利上げ観測が遠退いたとの見方が
広がったことも為替相場に影響を与えました。

前週末のニューヨーク市場では、債券利回りの低下に加え、
トランプ大統領の経済政策の実効性に対する懐疑的な見方も出て、
対円でのドル売りが持ち込まれました。

リスク回避のドル売り・円買いと言うわけです。

中期的な米国の利上げについては織り込まれているわけです。

その時期が3月になるのか、5月になるのか、6月になるのかを
見極めたいとの声が強まっているのです。

市場では、トランプ大統領の財政、経済政策が
具体化していないとの見方が強く、その概要が
明らかになるまでは、言葉だけではポジションを
傾けにくいとする声も出ています。

また、足下で、再びトランプ大統領の理不尽な
発言が市場の動揺を誘っています。

メディアに対する批判は、織り込み済みなのですが、
最近の発言を見ると、トランプ大統領に反対する記事は、
フェイクと決め付け、多くのメディアを閉め出して
しまっています。

こうしたやり方は、独裁者がする方法です。

王様の耳はロバの耳状態です。

そのような不自然な行動について、側近と
言われている人達は、諫言することなく、
一緒になってメディアやトランプ大統領
反対する意見を嘲っている状態です。

民主主義には、不都合なことが少なくないのです。

為政者の思う通りにならないこと、必要な手続きを
とる必要があることが当たり前なのです。

民主主義の先陣を走っているのが米国だと
思っていたのですが、米国にそれを望むことは
無理なのでしょうね。

市場は、トランプ大統領の言葉で揺れ動いていますが、
今後も大統領の言葉に踊らされる動きが続くことになりそうです。

トランプ大統領の言葉で、買われたドルや上昇した株価は、
その政策が実現できるか否かを見極めるものと思います。

財政政策にしろ、経済政策にしろ、実現性がないもので
あることが判明すれば、市場は大きな揺り戻しが来る可能性は
強いと思います。

その一つが5月頃に来るのではないかと考えています。

一方、欧州の動向は引き続き気掛かりです。

南欧の金融市場の問題、英国のEU離脱問題、
欧州での右翼の台頭など、経済、政治面で
不透明感が広がっています。

ユーロや英ポンドの先行きには不透明感が強まりそうです。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜114.20円、
ユーロ円が116.20〜122.20円、
英ポンド円が136.20〜142.30円、
ドル円が84.20〜88.20円。