G20閉幕、為替合意は再確認も反保護主義打ち出せず

20カ国・地域(G20財務相中央銀行総裁会議は18日午後
(独バーデンバーデン)、共同声明を採択して閉幕しました。

焦点の貿易分野に関しては、従来G20が表明してきた「保護主義
対抗する」という文言に米国が異論を唱えたため声明から削除されました。

保護主義自由貿易推進の方針を打ち出すことが出来ませんでした。

為替については、通貨安競争を回避するとしたG20合意を再確認しました。

米国は自由貿易が貿易不均衡問題を生み出してきたとして、
自国から見た「公正な貿易」の実現を訴えています。

会議で、米国は「保護主義に対抗する」に替えて「自由で公正な貿易」の
重要性を訴える文言にすべきだ主張しています。

保護主義を懸念する欧州などとの調整が付かず、
最終的に貿易に関する踏み込んだ表現は見送られました。

採択された声明は、経済に対する貿易の役割を
高めていく必要性を強調するにとどめています。

G20財務相会議の声明に「保護主義に対抗する」という表現が
盛り込まれないのは、2014年9月以来のこととなります。

会議後に記者会見した麻生太郎財務相は、貿易問題について
「(7月の)G20サミット(首脳会議)に向けて議論していく」と述べ、
協議を継続していく考えを示しました。

別途会見したムニューシン米財務長官は「自由貿易同様、均衡の取れた
貿易を信じる」と語り、貿易不均衡の是正を目指す政権の立場を強調しました。

声明は為替に関して、「通貨の競争的切り下げを回避する」と明記し、
「為替の過度の変動や無秩序な動きは金融・経済に悪影響を及ぼす」とも指摘しました。

トランプ氏は米国の貿易赤字相手国が通貨安誘導を行っていると
批判していますが、G20は従来の為替に関する合意を改めて確認しました。

このほか、声明では、世界経済について「回復が進んだが、
望ましいペースよりも弱い」との認識を表明し、成長加速に向けて、
各国・地域が金融・財政政策、構造改革に取り組む決意を改めて示しました。