トランプ政策の実現性に疑問符

今週の為替相場は、トランプ米大統領の政策の実現性に
疑問符が付く中で、ドルが軟調な動きを続ける可能性が
強まっています。

トランプ大統領が大きな旗頭としていた、イスラム教徒などの
入国制限やオバマケアの改正など、トランプ大統領の政策の
一丁目一番地が否定されていることで、急速にトランプ政策の
実現性に木々的な見方が広がっています。

これらを受けて、米国では株価が急落、
為替市場でもドルが下落する動きを見せています。

ただ、ドルの下値では本邦輸入業者を中心に、
ドルを買い戻す動きが出て、ドルの下落は
緩やかなものとなっています。

今週も、こうした流れを受けて、ドルが
下押しする可能性が強まっています。

金融市場では、トランプ米大統領の政策実現を
先取りする格好で、株価が上昇、ドルも堅調な
動きを見せていました。

それが、足元でトランプ政策の実現性に懐疑的な見方が
広がったことで、その巻き戻しが株式市場でも、為替市場でも
起きていると考えています。

また、欧州に対しても厳しい姿勢で臨むとしていた
トランプ政権が、当初はNATOに対して厳しい姿勢で
臨んでいたものの、NATOを全面的に支持するとの見方も
示しています。

さらに、ロシアとの関係について、フリン氏が辞職に
追い込まれていた以上の結びつきがロシアとの間にはあった、
とみられる状況になってきました。

国保守層の反ロシアの姿勢を思い起こさせるような
事態になる可能性も出ています。

トランプ氏を巡る不透明感が強まる中で、金融市場では、
トランプ効果で高まった動きが、急速に収縮する可能性も
出ています。

トランプ大統領個人を巡る問題が、株価やドルの重しになる
可能性は強く、今後、事実を調べながら株価やドル相場が
動いていくとみていた方が良いのではないでしょうか。

一方、欧州では、ロンドンでテロが起きるなど、
社会的不安定な動きが懸念がされます。

また、オランダでは極右が政権奪取に失敗しましたが、
第2党の地位を確保しています。

今後、フランスでは極右勢力が勢いを増す可能性が
強まっています。

ルペン党首は、トランプ大統領にシンパシーを感じるとともに、
ロシアのプーチン大統領とも親密な関係を保とうとしています。

欧州での極右の台頭に対する懸念が今後ますます
拡大する可能性が強いのではないでしょうか。

こうした動きを受けて、ユーロは不安定な動きを
続けると思います。

この中、日本では森友問題がますます闇の中に入っています。

今は、自民党は一致して安倍内閣を支える姿勢を示しています。

国会での証人喚問で、ますますその闇が深くなっているような
感じがしています。

今まで盤石だと思われていた安倍政権にも、
懸念が生まれてきたことは間違いないでしょう。

これは円にとっては、マイナス材料になると思います。

米国、欧州、それに日本がマイナス材料を抱える中で、
為替市場では度のマイナスが一番大きいのかを探る展開が
続くことになりそうです。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜104.20円、
ユーロ円が116.20〜122.20円、
英ポンド円が135.20〜141.20円、
ドル円が82.20〜88.20円。