ECB議事要旨、政策ガイダンス変更による金融引き締め懸念

欧州中央銀行(ECB)が6日公表した3月9日開催の理事会議事要旨によると、
政策ガイダンスを変更すれば、金利上昇を招くなど金融状況を引き締める
ことになりかねないと当局者が懸念を示していたことが分かりました。

一方、インフレ目標の達成にはなお高水準の金融緩和が必要とされる状況に
あるものの、悲観的なシナリオのリスクが後退したことを踏まえると、
より前向きなトーンを打ち出すには、コミュニケーションの微妙な変化が
正当化されるとの結論に至りました。

ECBは同会合で、政策スタンスとメッセージを維持したものの、「利用可能な
手段をすべて活用し行動する用意がある」との文言を削除したことから、
市場ではECBのタカ派的なシフトを示唆しており政策の正常化が早まる
との思惑が広がり、国債利回りが急上昇。利上げ予想前倒しの動きが
出ました。

議事要旨は「現時点における(ガイダンスの)内容変更は市場金利
過度に押し上げ、物価安定に向けた支配的な見通しからは正当化できない
程度まで金融状況を引き締める恐れがある」と指摘しました。

また、「景気見通しやインフレ改善の持続性を巡り著しいリスクが
なお存在するため、金利に関する現行のフォワドガイダンスから
下向きのバイアスを取り除くことは時期尚早だと思われる」としました。

さらにガイダンスを維持することに幅広い支持があったとしています。