トランプリスク、大きな材料に

今週の為替相場は、トランプリスクが改めて
意識されるものと思われます。

オバマ前大統領の弱腰外交を批判していただけに、
トランプ大統領は何かやる、そんな見方がありましたが、
いきなりシリアの空軍基地をミサイルで攻撃しました。

シリアが反政府軍に対し、化学兵器を使用したことに
対して、わずか2日後に、シリアを攻撃しました。

国連での協議もない中で、いきなりの攻撃でした。

トランプ大統領は、シリアが化学兵器を使った確証が
あるとして攻撃したわけです。

折しも米中首脳会談最中の出来事で、世界を圧倒しました。

トランプ大統領武力行使を平然と行う、確証があるという
言葉で平然と行う、改めてトランプ大統領の実行力に
驚愕しています。

こういう事態では、国連で何度も何度も会議を重ねて、
米国単独ではなく、国連での意見は集約できなくても、
有志軍という形で攻撃を行うのが今までのやり方でした。

オバマ前大統領は、議会の反対で武力行使は行いませんでしたが、
トランプ大統領は、国連も米議会にも諮らず、有志軍も募らず、
米国単独であっさりと攻撃を行ったのです。

市場は、その実行力に、改めて驚いています。

トランプリスクが市場の動揺を誘い、リスク回避の
ドル売りが市場では強まりました。

その後は米FRB高官が、FRB保有するバランスシートの
縮小計画が利上げサイクルの大幅な遅れにはつながらない
との発言が、ドルを買い戻す要因となりました。

それでもドルの上昇は対円で111円付近にとどまり、
市場は依然として、トランプリスクを強く意識する
向きが少なくないことを示しているようです。

また、注目されていた米中首脳会談は、北朝鮮
核放棄へ協力強化で一致したものの、シリア攻撃の
陰に隠れた形で会談を終えたようです。

もちろん、米中の間には北朝鮮を巡る問題はもちろん、
貿易問題等々、大きな問題が山積しています。

今回の会談ですべてが解決するようなことにはなりませんが、
お互いに話を続けることでは一致したようです。

これまで、中国側からは勇ましい声が聞かれていましたが、
今回の会談では意外に静かな周主席の姿が目立ったと思います。

これも、中国人の大人の趣で、トランプ氏の攻勢を
かわしたのでしょうが、今後の米中の会談の行方を
注目したいと思います。

為替市場は、当初は、米中会談の行方を大きな材料に
していましたが、シリア問題が勃発したことで、
米中首脳の新たな関係を確認したことになったようです。

ただ、忘れてはいけないのは、スウェーデン
トラックのテロが起こりました。

欧州でのテロが、北欧にも連鎖しています。

この動きがどうなるのか、注目したいと思います。

市場は、トランプリスクと、米国の利上げサイクルの行方を
材料視しており、この大きな問題で一喜一憂する展開に
なるかも知れません。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜113.20円、
ユーロ円が114.20〜120.20円、
英ポンド円が134.20〜140.20円、
ドル円が78.20〜86.20円。