ドルの上値は重いか

今週の為替相場は、ドルの上値が
重い展開が予想されます。

米国では6月の利上げは確実との見方が
広がっています。

これがドルを支える大きな材料になると
考えています。

ただ、それまでの材料を考えると、米国では
引き続きトランプ大統領ロシアゲート疑惑や、
トランプ大統領の公約が果たされない状況が
なお継続すると思います。

トランプ政権の不安定な動きは、ドルにとっては
大きなマイナス材料になりそうです。

さらに、ロシアゲート疑惑ではトランプ氏の娘婿の
関与が指摘されるなど、トランプ氏を守る重要人物に
疑惑が浮上していることで、ロシア疑惑はさらに
深まるものと思われます。

また、地政学的なリスクでは北朝鮮を巡る不安定な動きや、
中東をめぐる不透明な動き、さらには英国のテロをきっかけに、
欧州、あるいは米国でのテロの恐怖が浮上しています。

特に、欧州を巡るテロの恐怖は、英国でのテロが起きて、
日が浅いことで、強いものがあると思います。

この中、英国での総選挙を巡る動きも気掛かりです。

当初は、メイ首相が率いる保守党の圧勝が
予想されていましたが、最近の世論調査では、
英保守党の支持率が低下しています。

これを受けて、堅調だった英ポンドが軟調に転じており、
テロの恐怖とともに、英国を巡る問題が為替市場に微妙な
影響を与える可能性が浮上しています。

為替市場での力関係は、ドルの弱材料が意識されますが、
米利上げというジョーカーが控えているだけに、
依然としてドルが優位になると思われますが、
トランプ大統領が抱える疑惑がドルの動向に
大きな影響を与える可能性は強く、ドルを
思い切って買っていけない、理由になっていると
思います。

利上げを巡る動きでは、利上げが実施されるまでは
ドルは底堅いのですが、実際に利上げが実施されると、
ドル売りが強まる、そんな動きが続いています。

今週は、週末に米雇用統計が発表されます。

非農業部門の新規雇用増の予想は20万人を
割り込むとみられています。

今更、雇用統計で市場が動揺するとは思えないのですが、
20万人を大きく割り込むような動きを見せれば、
それなりの影響はあると思います。

どちらにしても、ドル買い・ドル売りともに、
材料があることで、ドルは一進一退の動きが
予想されます。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜114.20円、
ユーロ円は120.20〜126.20円、
英ポンド円は138.20〜144.20円、
ドル円は78.20〜84.20円。