米利上げ決定後の動きを注目

今週の為替相場は、米国の利上げが確実視される中で、
利上げ決定後の動きを注目する展開が予想されます。

市場では、既に米国の利上げはほぼ決定する
との見方が支配的となっています。

これまでの米国の利上げ決定後の為替相場の動きを
見てみると、利上げ確定でドルが売られる動きが
目立っています。

既に、米国の利上げは十分に織り込まれてとの見方から
ドルを買う動きではなく、材料出尽くしでドルを
売る動きが強まったものと思われます。

今回も、米国の利上げについては十分に織り込まれている
との声が出ています。

最近のドルの軟調な動きは、ロシアゲートなどを巡る
トランプ政権の脆弱性がドル売りの材料になっている
と指摘する声が出ています。

また、発表された雇用統計で、非農業部門の新規雇用増が
弱いものとなったことや、他の経済指標も予想外に
弱かったことで、米国の景気に対する疑念が生まれて、
ドル売りがかさんだとする声も出ています。

もちろん、米国の経済は欧州や日本に比べると
堅調なものですが、米国好調の期待感でドルが
買われていた分、その巻き戻しとの見方も出ています。

これまでのように、北朝鮮を巡る地政学的リスクを
指摘する声は弱まってきましたが、依然として
北朝鮮はミサイル発射を繰り返しています。

米国を中心に、北朝鮮に対して制裁発言が強まっていますが、
今は制裁では片付かない動きとなっているのが現状です。

韓国の新政権も北朝鮮との対話の糸口さえも出来ていない状態で、
北朝鮮の独りよがりの攻勢がなお継続すると考えられます。

金融市場では、北朝鮮を巡る地政学的なリスクは依然として
大きな状態で、これがドルの上値を抑えているとの見方も出ています。

今週は、米国の利上げが市場が想定しているように実施されるのか
否か、年内の次の利上げがあるのかをFOMCで見極めることになりそうです。

また、ドル円でみて110円を超えるドル安の動きが見られたことで、
110円が大きな壁にはならないこともあり、同売りが進んだ場合には、
110円を大きく割り込む動きには警戒が必要だと思います。

また、英国の総選挙で保守党が思わぬ苦戦となったことで、
EUからの栄光の離脱が迷走することも考えられます。

もちろん、英国のEUからの離脱は変わりはないのですが、
英国が望む方向でEUからの離脱が行われる可能性は
少なくなったと考えます。

これが欧州の不透明感に広がり、ユーロも不安定な動きとなる
可能性が強いことには留意が必要だと考えます。

その場合、円とスイスフラン避難通貨として、
上昇する可能性は強まっていると思います。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円が117.20〜125.20円、
英ポンド円が136.20〜142.20円、
ドル円が78.20〜85.20円。