ドル買いも限定的

今週の為替相場は、ドル買いも限定的な
動きが想定されます。

先週は、市場の事前予想通りに米国は利上げを
実施しましたが、金利差拡大でドルが上昇する
という動きにはなりませんでした。

むしろ、足元で発表された経済指標の軟化を受けて、
ドル売りが強まる動きも見せています。

市場では、最近の米経済指標は個人消費の弱さや
物価の上昇が低迷するなど、今年後半に行われる
可能性が強まっている再利上げの可能性が
少なくなっているのではないかとの見方が出ています。

経済指標は、これまで米景気の好調さを示しているとして、
利上げの根拠になっていましたが、最近の弱い経済指標が
そうした見方を払拭する要因となっています。

市場では、米利上げは織り込み済みで、結果発表とともに、
ドルが売られる動きは継続しているとの声も出ています。

事実、6月の利上げ時にも、利上げが発表されると
ドルが売られる動きを見せました。

こうした流れは、今後も継続するものとみられ、
米国の利上げ=金利差拡大は、ドルにとっては
プラスにならないとみています。

また、米国内では、トランプ米大統領の経済政策について、
結局、絵に描いた餅に過ぎなかったとの声が出ています。

大統領選挙中や、大統領に就任してからも、
トランプ大統領の唱える経済政策は実効性に
乏しいものとなっています。

米国第一を掲げる中で、その経済政策の実行が
難しい状況になっています。

さらに、移民排斥も、米国の司法の力で、
トランプ大統領の移民排斥案は見送られている状況です。

加えて、トランプ政権を巡るロシア疑惑も、
ますます疑惑が深まる状況となっています。

トランプ大統領は、FBIなどのロシア疑惑追及に対して、
それを邪魔する動きを強めています。

司法妨害という汚名も聞かれています。

また、共和党議員が民主党のサンダース議員の
支援者から狙撃されるなど、米国内の不安定感が
ますます顕著になっています。

結局、米国は物事の解決を銃で解決する社会、
そのためにも銃規制は行わないとみられていることで、
今後は、国内のもめ事なのか、テロなのか、
判断できない様相が強まる可能性も出ています。

トランプ大統領の誕生で、米国の力が大きく
下落しているとみられていることで、ドルも
下落する可能性が強まっていると思うのです。

ドル弱材料には敏感に反応する、そんな見方が
為替市場の主流になる可能性が出ています。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円が118.20〜126.20円、
英ポンド円が136.20〜144.20円、
ドル円が78.20〜86.20円。