ドル、軟調な動きか

今週の為替相場は、ドルが軟調な動きとなる
可能性が強まっています。

6月の米利上げは予想通りの動きで、その後、
年内にもう1回の利上げが実施されるとの見方が
支配的でしたが、米国の個人消費関連指標や
物価指標が軟調となったことから、米国の
年内利上げは見送られるとの声が出始めています。

こうした見方を映して、前週末のNY市場では
ドルが主要通貨に対して下落する動きとなりました。

この流れを受けて、米国の利上げ回避を材料にした
ドル売りが強まる可能性が出ています。

とは言っても、ドル売りも慎重な動きになる可能性が強く、
ドル売りも緩やかなテンポにとどまるとみています。

この流れの中で、今週も米国の経済指標、個人消費関連、
物価関連の動きに注目が集まりそうです。

この中、注目したいのはトランプ大統領を巡る動きです。

トランプ大統領は、トランプ政権のロシア疑惑を捜査している
特別検察官に対し、いちゃもんを付けています。

解任したコミー前FRB長官との仲の良さを指摘し、
特別検察官として適正ではないとの見方を披露しています。

万が一、特別検察官を解任するようなことになれば、
トランプ大統領の手法に多くの批判が集まるものとみています。

トランプ政権の脆弱性は何度も指摘されていますが、
いよいよ任期中の辞任、あるいは弾劾の動きに
つながるような展開が出てくる可能性があります。

その場合には、米国に対する懸念が浮上し、これが
ドルにとってはマイナス材料になる可能性は否定できないと
考えます。

これまでは、経済指標、利上げ観測などでドルは
支えられていましたが、そのような柱がなくなって
しまった場合には、一気にトランプショックが
ドル急落につながる可能性があると思います。

欧州では、英国のEU離脱について本格的な
交渉が始まります。

英国に対して、ドイツやフランスなどは
厳しい要求を突き付けています。

この交渉の行方次第では、ユーロ、ポンドに
影響を与える可能性があると考えます。

その場合、リスク回避通貨として、円、
スイスフランが人気を集めることも考えられます。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜113.20円、
ユーロ円が118.20〜126.20円、
英ポンド円が136.20〜143.20円、
ドル円が78.20〜86.20円。