米欧の金融政策を見極めへ

今週の為替相場は、欧米が金融政策を引き締め気味で、
足並みを揃えているのではないかとの思惑が広がり、
ドル、ユーロが堅調な動きを見せています。

これまで、ドルの動向に関心が集まり、米国が
6月に利上げを実施すると、材料出尽くし感から
ドルを売る動きが強まりました。

利上げ観測の高まり、その後、利上げが実施されると
ドルが売られるというパターンが見られ、6月も
その動きとなりました。

しかし、ドラギECB総裁が、金融緩和の出口論について
前向きな発言を行うと、ECBも金融引き締めに動く
との見方が広まり、対ドルでユーロが上昇、対円でも
ユーロが上昇する中で、対ドルでは円が下落する動きと
なりました。

米国の利上げは年内までに実施されるのではないか
との観測が強まっていますが、ユーロについては
まだまだ出口論がどのような形で実現するのか予想が
つかない状況です。

とはいえ、欧州の利上げが視界に入ってきたことで、
利上げが実施されるまでは、利上げの思惑でユーロが
上昇する可能性が強まっています。

欧州は、英国の離脱問題や、イタリアなどの経済・金融不安が
まだ解決していない状況で、ユーロ圏内の不透明感がユーロの
足枷となっていましたが、金利差拡大を印象付ける、あるいは
米国との金利差縮小を意識させる金融政策が実施される
との思惑から、今しばらくはユーロにとって買い材料
続くとの見方が出ています。

ユーロもドルと同じように、実際に金融引き締めの政策が
とられれば、それまで買われていたユーロが売られるという
動きが出てくるのかもしれません。

当面は、ECBの金融政策が為替市場に大きな影響を
与えるのではないかとみています。

この中、日本では日銀短観が発表されます。

市場の事前予想では、大企業製造業、大企業非製造業ともに、
好調な数字が予想されていますが、これが円を支える材料に
なるとは考えにくいと思います。

日本経済にとって、好調な数字が円買いには
むずびつきにくいものと考えています。

このため、今週は、先週から強まった米欧での
金融引き締め観測が、為替市場では大きな材料に
なると思います。

まずは、欧米と日本の金利差拡大を材料に、
ドル、ユーロが対円で底堅い動きをするものと
みています。

予想レンジは、
ドル円が109.20〜114.20円、
ユーロ円が125.20〜132.20円、
英ポンド円が142.20〜148.20円、
ドル円が82.20〜88.20円。