日米欧の金利動向を注目

今週の為替相場は、日米欧の金利動向を
注目する展開になるものと思われます。

米国は利上げに舵を切り、年内にもう1回の
利上げの可能性が強まっています。

時々の経済指標の発表で、利上げに対する強気、
弱気の見方が交錯する動きが出ていますが、
それでも年内の利上げの確度は高いとみています。

今週は、イエレンFRB議長が議会で経済動向の
議会証言を行います。

足元で発表された雇用統計を見る限り、好調な
経済指標が米利上げの支援材料になるとみられます。

ただ、気掛かりなのは物価指標が弱いことです。

米国の利上げを正当化する物価指標がいつ出てくるのか、
注目が集まると思います。

一方、欧州では緩和策から引き締め策を意図する発言が
出ています。

これまでは、緩和策から逸脱する条件がなかったのですが、
経済指標が底堅い動きを見せる中で、強気の見方が増えています。

こうした欧州中銀の動きを睨んで、為替市場では
ユーロが上昇しています。

為替市場では、利上げが意識されるドルと、
ユーロが堅調な動きを見せているのです。

これに対し、日銀は長期金利の上昇を抑制するオペを実施し、
金利の低位安定を探る動きを見せています。

この金利差を意識して、為替市場では、ドル、ユーロが
堅調な動きを続ける可能性が浮上しています。

問題は、この流れが万全なもの中ということです。

米国ではトランプ大統領の経済政策が実効性の乏しいもので
あることが明らかになりつつあります。

さらに、ロシア疑惑も深まるばかりで、トランプ氏の側近の
違法性が意識されています。

欧州では、英国のEU離脱に向けた手続きが進もうとしています。

英国だけではなく、EUにとっても大きなマイナスとなることが
予想されます。

また、ECBはドイツの唱える金融政策の中立策を画策していますが、
これがドイツ以外の国、南欧諸国などの金融不安をあおる可能性も
出ています。

また、北朝鮮のミサイル発射を巡る緊張感も大きくなっています。

ミサイル発射だけにとどまらず、核実験の再開などの報が流れると、
一気に緊張感が高まるものと思います。

材料はたくさんあります。

金利差だけでは、図れない、そんな相場展開になりそうです。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜116.20円、
ユーロ円が126.20〜132.29円、
英ポンド円が144.20〜150.20円、
ドル円が82.20〜88.20円。