ドル、下値を意識も

今週の為替相場は、ドルが下値を意識する
展開が予想されます。

前週発表された米経済指標で、物価関連指標が
予想を下回ったことや、イエレンFRB議長の議会証言で、
利上げのテンポについて慎重な見方が示されたことから、
年内の米利上げ継続に対する懐疑的な見方が広がり、
ドルは対円で一時112.30円前後まで売られる展開となりました。

米国はすでに利上げに舵を切ったわけで、よほどのことが
ない限り、年内の利上げは継続するとみています。

市場は、一喜一憂する特性があり、イエレン議長の
慎重な発言と経済指標の低調な動きが相まって、
ドルが売られる展開になったとみています。

ただ、今後、米経済指標が堅調な米経済の動向を
示すようだと、ドルに対する弱気の見方が一転、
強気になることは十分に予想され、足元のドル下落は
信用できないとも見ています。

とは言え、年内の米追加利上げは確実とみていた分、
慎重な見方が広がったともいえるわけで、今後も
米経済指標や、連銀幹部の発言で一喜一憂する動きが
続くことが、健全な市場ではないかとも思います。

この中、ユーロは底堅い動きが続くとみています。

ECBが緩和策の終了を意識していることは明らかで、
今後の動き次第では、米国に次いで、金融引き締めを
行う可能性が強まっています。

為替市場では、こうした動きを意識して、ユーロ買いを
強めてきていることも事実で、金利差を意識した動きが
しばらくは続くのではないかと思います。

この中、日本に対する関心は依然と低い状況で、
政治的緊張感は円売り材料にはなりにくい展開が
続くと思います。

そうなると、対ドルでは円買いを、対ユーロでは円売りが
意識され、結果として、円は大きくは動きにくい展開が
想定されるのではないかと思います。

予想レンジは、
ドル円が110.20〜115.20円、
ユーロ円が126.20〜13220円、
英ポンド円が144.20〜149.20円、
ドル円が85.20〜90.20円。