リスク回避の円買いどこまで

今週の外国為替市場は、リスク回避の円買いが
どこまで続くか注目したいと思います。

経済指標面、政策金利面では円を積極的に
買う材料はないとみていました。

米国の年内の利上げがあるのかないのか、
欧州では金融引き締めにどんな添付で
舵を切っていくのは、米国に比べ欧州の
金融引き締めの方がフレッシュな話題なので、
ユーロをはじめ欧州通貨が上昇するとの見方を
強めていました。

何もなければ、欧州通貨>ドル>円の順番での
人気投票となると考えていましたが、
予測は見事に外れました。

北朝鮮グアム島沖にミサイルを撃ち込むことを明言し、
これに対しトランプ米大統領北朝鮮に激しい口調で
反発しました。

米国では、国務長官や議会関係者などが、トランプ大統領
過激な発言を抑制する発言を繰り返していますが、
トランプ米大統領の発言は止まりません。

為替市場、金融市場は、この発言にリスクの芽を感じ、
リスク回避の動きを急速に強めました。

リスク回避は、円、スイスフランに及び、これらの通貨が
他の通貨に対して上昇圧力を強めています。

米国では好調だった株価も急落するなど、言葉の言い合いが、
金融市場に大きな影響を与えています。

もちろん、日本も、島根、広島、高知の上空を北朝鮮
ミサイルが通過するので、緊張感は一段と高まっています。

万が一、米国が北朝鮮を攻撃すれば、日本もその渦中に
巻き込まれるだけに、円もリスクのある通貨になる可能性が
あるのです。

それでも、今はリスク回避の通貨としての地位を
円は維持しています。

北朝鮮が、一つの材料としている米韓軍事演習は
8月21日から始まります。

北朝鮮派、この演習の中止を求めています。

グアム島へのミサイル発射も、この演習を
標的にしているので、それまでは円はリスク回避の
通貨を役割を演じることになるのかもしれません。

極東アジアが戦渦に巻き込まれた場合には、
日本も無傷ではいられないことを考えると、
リスク回避の円の上昇は限りがあると思います。

今週は、北朝鮮、米国からの発言を注視する必要が
ありそうです。

戦争記念日を迎える中、物騒な状況になっています。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円は126.20〜132.20円、
英ポンド円が138.20〜134.20円、
ドル円が81.20〜87.20円。