ユーロの動きに注目

今週の外国為替市場は、ユーロの動きを
注目したいと思います。

欧州中銀は、7日に政策金利を決める会合を開催します。

今回の会合では、具体的な金融引き締めへの転換を
決定するとは思いませんが、確実に利上げに向けた動きを
模索していることが明らかになると考えています。

これまでのECB高官の発言で、ECBは利上げに向けて舵取りを
することは既定路線となっていると考えています。

その道筋を重ねる会合だと思います。

米国は昨年に、その過程を済ませましたが、いよいよ欧州中銀も
その道筋を明らかにすると考えています。

為替市場では、欧州中銀の利上げを前提にして、
ユーロが上昇する動きが続いています。

そのスピードを速める材料が出るのか否か、
注目したいと考えます。

特に、会合後のECB総裁の記者会見の中身を
注視したいと思います。

利上げに向けて、より積極的な発言が出れば、
ユーロを押し上げることになるかと思います。

一方、米国では、依然として年内の利上げに
黄信号が灯っています。

物価指標が依然として低調なこと、雇用統計も
予想の範囲内ではあるものの、利上げを後押しする
材料が出ていないことが、FRBが年内の利上げに
踏み切れないのではないかとの思惑を誘っています。

これまで、年内の利上げを材料にドルが底堅い動きを
見せていましたが、金利差を意識したドル買いが
続かない可能性が強まっています。

ただ、再び米国の年内利上げの思惑が強まると、
ドルは一気に反発する可能性もあります。

毎月、毎月発表される経済指標や、米FRN高官などの
発言が後押しになる可能性がありますが、
米利上げに対して前向きな材料が出てこない限り、
年内の利上げの可能性は少ないと考えます。

この中、不安材料はあります。

北朝鮮を巡る問題が引き続き、為替市場、
特にドルにとっての足枷になります。

再び北朝鮮弾道ミサイルの発射を試みたり、
核実験を再開すれば、ドルにとって大きな
マイナス材料になりそうです。

これに対し、ユーロは利上げに向けて着実な
足取りを見せれば、継続的なユーロ買いが
見られる可能性があります。

とは言え、ユーロにも弱点があります。

単発的に起こる欧州でのテロの脅威です。

思い出したように欧州ではテロが続いています。

そのたびに、欧州の政情不安を材料にした
ユーロ売りが出てきます。

もちろん、北朝鮮の問題は欧州からは遠い地域での
出来事なので、その影響は少ないのですが、
世界情勢の緊張が激化すれば、ユーロも
無傷では済まないと考えます。

そうした不安感は継続していますが、
今週はとりあえず、欧州中銀の金融政策を
睨みながら、ユーロが底堅い動きを見せると
みています。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜112.20円、
ユーロ円が128.20〜134.20円、
英ポンド円が138.20〜146.20円、
ドル円が84.20〜90.20円。