ドル下値抵抗線は106.20円

来週の為替市場は、ドルの下値が意識される動きが
想定されます。

引き続き米国と北朝鮮の緊張感が為替市場には
大きな材料となっています。

米国も北朝鮮も今の緊張状態を解く方法が
見つからない状態です。

北朝鮮は、弾道ミサイル発射を繰り返し、
核実験も行いました。

米国の喉元に、いつでも弾道ミサイルを発射する姿勢を
見せています。

これに対して、米国はつい最近まで北朝鮮との話し合いを
模索する動きも見られましたが、北朝鮮弾道ミサイル
発射をやめないことや、核実験に踏み切ったことで、
北朝鮮に対して、武力攻撃を行う可能性を指摘する声が
聞かれています。

早くも日本海原子力空母を派遣することにしており、
米国と北朝鮮との対立が激化しています。

この米国と北朝鮮との対立はリスクの高まりとして、
リスク回避の動きが為替市場で強まり、円がリスク回避の
円買いが優勢となっています。

また、米国では年内の利上げの可能性が少なくなっています。

発表された物価指標が低調なことが、利上げに慎重な姿勢を
強めています。

また、巨大なハリケーンの接近が米経済の先行きの足枷に
なっています。


巨大なハリケーンが一つだけではないことも、
さらなる米経済の弱材料になっています。

この中、欧州ではECBが次回理事会で引き締めのシグナルを
出す可能性が出ています。

今は、ユーロ高が欧州経済にどのような悪影響を与えるのか、
その動きを見極める姿勢を示しています。

その猶予が1カ月先ということになりそうです。

欧州は利上げ、米国は利上げが難しい状況ということで、
ユーロ買い・ドル売りが強まる可能性が出ています。

結局、ドルは海外情勢、国内情勢を睨んで買えない通貨に
なっていると思います。

大きな転換点は、106.20円をどんなペースで超えるかに
かかっています。

この水準をあっさり超えるようなことになれば、
105.00円を壁にはならないと考えます。

一気に、102.20円が意識される動きになると思います。

万が一、北朝鮮と米国が武力衝突をした場合には、
一気に100円を突破する動きが予想されますが、
武力衝突間ではまだ間があると考えます。

小競り合い程度にとどまれば、ドル売りが優勢になると
考えます。

逆に、円が売られるには、日本が北朝鮮のミサイル攻撃を
受けた場合となるかも知れません。

日本のどこでもミサイルが飛んでくれば、間違いなく
円売りでしょう。

当初は。

その後、米韓日の攻撃で北朝鮮が圧倒されれば、
リスク回避の動きから、円が買い戻される可能性が
強いことには要注意です。

戦争など起こらない方が良いのですが、万が一を
そろそろ考えないといけないのかと思います。

為替相場は心理戦ですが、米国と北朝鮮の対立も
心理戦が佳境に入っています。

心理戦に耐えられるのは北朝鮮か、米国か、
一段と関心が集まっています。

予想レンジは、
ドル円が105.80〜109.80円、
ユーロ円が126.20〜132.20円、
英ポンド円が138.20〜144.20円、
ドル円が84.20〜88.20円。